5日夜、フランス語圏ワロン系社会党のエリオ・ディルポ党首(60)が、ベルギー国王から首相に任命され、一年半の空白を経てようやく新政権樹立が決まった。
昨年6月の総選挙前から続くオランダ語圏とフランス語圏の政治対立の中で、大手銀行破綻など経済不安を背景に、10月から主要6政党が連立交渉を開始。
2003年決定の脱原発継続、大きな争点だった首都ブリュッセル周辺地域の選挙制度見直し、地方への財源・権限移譲案件などで合意を重ねてきた結果、連立協定が成立した。
12名の閣僚は、両言語圏から半数ずつ選出された。経済的弱者のフランス語圏と、豊かなオランダ語圏の分離を訴え、総選挙で第一党だった新フランドル同盟(N―VA)は、政権に入っていない。過去30年以上、フランス語圏からの首相はいなかった。
街角でのTVインタヴューでは、「やっと新政権が誕生してよかった」という声が多かった。(ベルギー・リエージュ=川崎陽子)
欧州から主にドイツ語圏の情報、基本的人権を脅かす放射線被ばく問題を発信。専門分野の通訳・翻訳にも従事。
横浜国立大学卒業後、日本企業研究職、米国企業技術職を経てドイツに留学。アーヘン工科大学で応用工学修士(環境学・労働安全)修了。
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