
食品産業のワタミグループの中の居酒屋を運営する「ワタミフードサービス」従業員であった森美菜さん(当時26歳)が08年に自殺した事件について、神奈川労働者災害補償保険審査官が長時間労働によるストレスが原因として労災認定していたことが21日、分かった。
森さんは08年4月に入社し神奈川県横須賀市内の店舗に配属されたが、同年6月に同市内の自宅近くのマンションから飛び降り自殺した。
深夜の調理担当の森さんは、抑うつ状態となる5月中旬まで1カ月の時間外労働が約140時間に上り、過労で自殺したと認めた。
遺族は横須賀労働基準監督署に労災申請したが棄却され、同審査官に不服を申し立てていた。
ワタミグループ広報は「報道されている勤務状況について当社の認識と異なっておりますので、今回の決定は遺憾であります」と表明。
同社代表の渡辺美樹氏がツイッター上で「労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理できていなかったとの認識は、ありません。ただ、彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです。」(原文)とした。
ネット上ではワタミと渡辺代表の対応について、「責任を感じているのか」という批判が広がっている。(オルタナ編集部=石井孝明)