記事のポイント
- 新しい資本主義では、「信頼と共感に基づく金融」が発展する
- 課題解決を進めるためには、成果連動型助成と返済可能助成に注目が集まる
- 「信頼ベースの資金循環」が機能することで、社会関係性資本が強化する
「『社会的成果(アウトカム)を買う』という発想の助成金があってもいい。それが私たちのスタートの原点だった」。世界で今最も注目される国連組織であるエデュケーション・アウトカム・ファンドの創設者で代表を務めるアメル・カルブール氏は本年7月の来日時のセッションでこう語った。(日本ファンドレイジング協会代表理事=鵜尾 雅隆)
同ファンドは、教育分野のスタートアップ企業に対して成果連動型助成を行う組織として2018年に発足し、2020年にUNICEFの信託機関として位置づけられるようになった。民間発で生まれ、その後、国連組織になった、非常にユニークな組織である。
このファンドは、途上国の教育改善に対してビジネスを通じて貢献する企業が社会的成果を出したことが実証された際に、予め合意していた助成金を支払う。結果として、多くの投資家が教育分野のスタートアップへの資金支援を加速化させる呼び水となった。