――バリアフリー新法で改善されても、まだ問題が多い?
垣内 非常に多いですね。たとえば、スロープの上に点字ブロックがあることが多いのですが、視覚障がい者の多くはスロープを使用しません。段差のある階段で移動できますから。スロープを使う車椅子やベビーカー利用者にとっては、点字ブロックが邪魔になることもあります。

法律や条例で定めているバリアフリーはあくまでも最低限度のことなので、現実的には、当事者のことを考えていない、なんちゃってバリアフリーになっていることが非常に多いです。だからこそ、私たちが変えていきたいと思っています。
――パラリンピックを見ると、障がい者スポーツは以前より活発になっている印象があります
垣内 私も車椅子バスケやマラソンをやっていたので、障がい者スポーツには興味や関心はありますが、個人の負担が大きすぎるのが問題です。
車椅子マラソンもバスケも、1人当たり40万円以上かかります。この問題を解決するためも、障がい者の働き方、ライフスタイルを変えていく必要があります。
――障がい児教育にも力を入れていますね
垣内 障がい者が社会に出ていくためのステップとして、教育機関にフォーカスしています。私は入院により高校を休学していたのですが、その間の勉強には随分苦労しました。そういった苦労を少しでも減らし、障がいのある子どもや長期入院をしている子どもに教育を行うことで、彼らが自由に進路を選択し、自立できる世の中にしたいと考えています。