記事のポイント
- 欧州委が「ゲノム編集食品」に関する規制を緩和する法案を発表した
- 「ゲノム編集食品」は毒性やアレルゲンになる危険性も
- 欧州委の法案に反対の声がある一方で、日本では消費者が知らずに広がりも
欧州委員会は7月5日、ゲノム編集食品に関する規制緩和に向けた立法案を発表した。
この法案では、ゲノム編集と遺伝子組み換え作物に対する表示義務、安全性チェック、あらゆる種類の責任プロセスが廃止される。
その結果、消費者や農家、食品加工業者は、自分たちが栽培、購入、消費する食品に遺伝子組み換え作物が含まれているかの透明性を失うことになる。
法案はバイオテクノロジー多国籍企業のロビー活動を受けたもので、大きく4つの規制緩和を掲げている。
①未検査の遺伝子組み換え作物を自然界に放出する。
②EU一般食品規則が定める消費者の知る権利を廃止する。
③政府が自国領土で遺伝子組み換え作物の栽培を禁止する権利を奪う。
④遺伝子組み換え作物の検査方法の提供など、バイオテクノロジー企業の基本的な責任を廃止する。
ゲノム編集食品は、欧州グリーン・ディールの「農場から食卓まで」戦略の中で、食料の安全保障と健全な地球から供給される食事へのアクセスを保証という文脈で議論されてきた。
■ゲノム編集は人間や動物にとって毒性やアレルゲンにも
■欧州では市民社会だけでなくオーストリア政府や独環境相も反対
■日本では消費者が知らずに「ゲノム編集食品」が広がり