記事のポイント
- 中国で、2025年第1四半期の再エネ発電容量が、初めて火力を上回った
- 太陽光・風力発電の総容量は1482ギガワットに達した
- 中国の再エネ発電容量が化石燃料を上回ることは常態化するとの予測も
中国で、2025年第1四半期(1~3月)の太陽光・風力発電容量が、初めて火力を上回った。太陽光・風力太陽光発電の総容量は1482ギガワットに達した。中国では太陽光・風力の新規設備容量が急拡大を続けており、現地メディアは今後も再エネが化石燃料を上回ることが常態化するとの予測を報じる。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

中国の国家エネルギー局は4月25日、2025年第1四半期(1-3月期)の風力・太陽光発電の総容量が1482ギガワットに達し、合計で初めて火力を上回ったと発表した。
また、中国電力企業連合会が同日に発表した「2025年第1四半期全国電力需給情勢分析予測報告書」は、2025年3月末現在、中国全土のすべての省(自治区・直轄市)で設備容量に占める火力発電の比率が50%未満に低下したことを示しており、電力分野の低炭素化が進んでいることも確認された。
中国は世界最大の温室効果ガス(GHG)排出国だ。石炭火力発電所の保有数でも世界トップとなっており、今も依然として、石炭火力発電所の建設を進める。
その一方で、太陽光・風力発電が急拡大しており、2024年には、「2030年までに太陽光・風力発電容量を1200GWに拡大する」という目標を6年前倒しで達成した。
中国政府は、2026年から2030年までの間に石炭火力の消費量を削減し、「2030年までにGHG排出量のピークアウト、2060年のカーボンニュートラル」を目指す。
習近平国家主席は4月23日、国際会議の場で「国際情勢がどのように変化しても中国は気候変動対策の努力を緩めない」と強いコミットメントを示した。
しかし、石炭火力発電所の新規建設が、クリーンエネルギーの普及を阻害し続ける可能性も有識者は指摘する。