ネスレ日本、家庭向けコンポスト対応の紙製ポッドを発売へ

記事のポイント


  1. ネスレがホームコンポストに対応した紙製コーヒーポッドを開発した
  2. ホームコンポストは家庭から出る生ごみを発酵・分解し、堆肥化するもの
  3. 「ネスカフェドルチェグスト」の新商品として9月2日から発売へ

ネスレ日本は2025年9月2日から、「ネスカフェドルチェグスト」の新商品として、国内初のホームコンポストに対応した紙製コーヒーポッドを発売する。ホームコンポストとは、家庭から出る生ごみなどの有機物を発酵・分解させ堆肥化させるプロセスを指す。ネスレはグローバル目標として、2025年中にプラスチックパッケージの95%以上をリサイクル可能な設計にするなど意欲的な目標を掲げる。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

9月2日から発売する「ネスカフェドルチェグスト ネオ」

ネスカフェドルチェグストは、1杯抽出型のコーヒーメーカーブランドだ。「おうちが、あなたのカフェになる」をブランドコンセプトに掲げ、2007年から日本での発売を始めた。これまでに400万台を売り上げており、カプセル/ポッド式コーヒーメーカーでは国内最多の売り上げ台数を誇る。

ネスレ日本は9月2日から、同ブランドの最新モデルとして「ネスカフェドルチェグスト ネオ」を販売する。このマシーンの開発にあたり、スイスにあるネスレ本社の研究所で5年以上の試行錯誤を重ねた。特徴は、ネスレ独自の「スマート抽出機能」だ。

この機能によって、日本で初めて、1台で3つの異なるコーヒーの抽出方法を可能にした。その3つとは、「ドリップスタイル抽出」「アメリカーノスタイル抽出」「高圧エスプレッソ抽出」だ。

日本初のホームコンポスト対応型モデル

挽き立てのコーヒー豆を密封した「ネスカフェドルチェグスト ネオ」専用の紙製コーヒーポッドは、日本初のホームコンポスト対応モデルだ。同ポッドを発酵・分解させることで堆肥化する。

今後は消費者の行動変容を促すため、コンポストの普及イベントを企画したり、小売店などにコンパストボックスを置いたりするという。

同社が製品パッケージの脱炭素化に取り組むのは、グローバル目標の一環だ。ネスレでは、2025年までにバージンプラスチックの使用量を3分の1に削減し、プラスチックパッケージの95%以上をリサイクル可能な設計にするという野心的な目標を掲げる。

こうした野心的な脱炭素目標は、商品価値にどう影響を及ぼすのか。ネスレ日本の島川基・常務執行役員飲料事業本部長は、「規模が大きい目標なので、すぐにこの目標の達成具合が商品の売り上げにつながるとは考えられないが、いつか『ネスレを選んでいて良かった』と思って頂ける時が来ると信じて、地道に活動を続けている」と話した。

ネスレ日本の島川常務は、「ネスカフェドルチェグスト ネオ」で「次世代コーヒー体験」を提供していきたいと力を込めた

◾️2050年に気軽にコーヒーが飲めなくなる

コーヒーについては、コーヒー豆の栽培地の減少などで供給不足に陥る「2050年問題」を抱える。コーヒー栽培に適した土地は、北緯25~南緯25度に限られているが、気候変動の影響で、アラビカ種のコーヒー栽培に適した土地が最大で50%減ると予測されている。

栽培地の減少に加えて、コーヒー農家の貧困も課題だ。農家の約8割が、貧困状態にあ。担い手不足に陥る恐れもある。

こうした状況にネスレは2022年に「ネスカフェ プラン2030」を策定し、2030年までに10億スイスフラン(約1700億円)を投じて、契約農家の「再生農業」への移行を後押しする。

再生農業とは、土壌の健全性と肥沃度を高めて水資源や生物多様性の保護を目指すものだ。健全な土壌は気候変動の影響にも強く、収穫量を増やすことができる。生産者の生活向上も支援する。

ネスレは、商品やサービスで社会課題を解決するCSVを世界で初めて提唱し、事業戦略のコアに置く。

ネスレ日本の島川常務は、「環境と経済は二項対立ではない。それぞれ良い面もあれば課題もある。グローバル目標にコミットし、環境配慮型設計を追求していきたい」と話した。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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