国連サミットで事務総長「『気温上昇1.5度以内』はまだ可能」

記事のポイント


  1. 国連は9月24日、ニューヨークで「クライメート・サミット2025」を開いた
  2. 各国首脳が、新たな国別削減目標を発表したが、米国は参加しなかった
  3. 国連事務総長は「気温上昇を1.5度に抑えることはまだ可能だ」と強調した

国連は9月24日(現地時間)、ニューヨークの国連総会ハイレベルウィークで、「クライメート・サミット2025」を開いた。100カ国以上の首脳が新たなNDC(国別削減目標)を発表し、パリ協定に基づく気候変動対策を加速させる姿勢を示した。アントニオ・グテーレス国連事務総長は「気温上昇を1.5度に抑えることはまだ可能だ」と強調し、各国にさらなる行動を呼び掛けた。(オルタナ輪番編集長・吉田広子)

「クライメート・サミット2025」で演説したアントニオ・グテーレス国連事務総長(提供:UN Photo/Manuel Elías)

パリ協定のすべての締約国は、11月開催のCOP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)までに、2035年を目標年とする新たな国別削減目標(NDC) を提出しなければならない。

この流れを加速させるため、国連事務総長は「クライメート・サミット2025」を開催し、各国首脳に新しいNDCを発表する場を提供した。

会合の冒頭で、グテーレス国連事務総長は「世紀末までに地球の気温上昇を1.5度に抑えることは、まだ可能だ。その限界を恒常的に超えれば、人類と地球に何が起こるかは明らかだ。科学も経済も、気候行動を求めている」と訴えた。

「過去10年で気温上昇の予測値は4℃から3℃未満に下がった」としつつも、「2035年までに、より迅速で広範な計画が必要だ」(グテーレス国連事務総長)と呼び掛けた。

具体的には、次の5分野に重点的に取り組むように求めた。

・クリーンエネルギーへの移行加速
・メタン排出の大幅削減
・森林保全
・重工業からの排出削減
・開発途上国の気候正義の確保

■ 中国、非化石燃料の比率を30%超に

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yoshida

吉田 広子(オルタナ輪番編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。2025年4月から現職。執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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