記事のポイント
- 米最高裁は11月10日、同性婚の権利を覆す異議申し立てを却下した
- 米国では2015年6月に最高裁が、同性婚を「憲法上の権利」と認めている
- しかし保守化が進む今の最高裁では、2015年判決が覆る可能性も危ぶまれていた
米連邦最高裁判所は11月10日、同性婚の権利を覆す異議申し立てを却下した。米国では2015年6月の最高裁の判決で、同性婚を「憲法上の権利」と認めている。しかし9人の判事のうち6人が保守派を占める今の最高裁では、2015年の判決が覆る可能性もあるとの見方も出ていた。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

ケンタッキー州ローワン郡の元職員キム・デイビス氏は、自身の個人的信仰を理由に、同性カップルへの結婚証明書の発行を拒否していた。これに対し下級審は2025年7月、デイビス氏に対して損害賠償を命じたが、彼女は判決を不服として上訴し、最高裁に2015年の判決を見直すよう主張していた。
最高裁が審理しなかったことは、同性カップルへの結婚証明書の発行を拒否したことは違法だとする下級審の判決が有効であることを意味する。
人権擁護団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)のケリー・ロビンソン会長は、「今日、愛が再び勝利した」と、最高裁の判断を称賛した。
調査会社ギャラップが2025年5月に発表した調査結果によると、68%の米国の成人が同性婚の権利を支持している。
ロビンソン会長は、米国で反LGBTQ+的な言説が増加していることは「周知の事実」としながらも、それが大多数の米国人の考えとは著しく対照的だと指摘した。



