花王、臨時総会でオアシス提案を推奨した議決権行使助言会社に「遺憾」

記事のポイント


  1. 花王が、議決権行使助言会社のISSの推奨に「遺憾」を表明した
  2. ISSは花王の臨時総会で、オアシスの株主提案に「賛成」と推奨した
  3. 花王は、ISSが一方の当事者の未検証の主張のみを根拠としていると指摘する

花王は4月16日、筆頭株主オアシス・マネジメントの株主提案に賛成を推奨した議決権行使助言会社のレポートに反論した。花王は同レポートには事実関係の誤りがあると指摘する。そのうえで、「議決権行使助言会社として推奨を行う以上、当事者双方の主張の整合性を確認することは最低限の手続きであり、一方当事者の未検証の主張を推奨根拠に組み込まれたことは、誠に遺憾」と表明した。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

花王は4月30日に臨時株主総会を開催する

花王は4月30日、臨時株主総会を開催する。香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントが請求したこの臨時株主総会では、花王のサプライチェーン上の人権・環境リスクについて、オアシスが提案した独立した第三者による検証の必要性について決議する。

臨時株主総会の開催に先立ち、米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)は4月15日、オアシスの株主提案に賛成を推奨するとの内容のレポートを発行した。

これに対し、花王は4月16日、「臨時株主総会ISS推奨に関する当社コメント」を発表し、オアシスの株主提案ならびにISSの賛成推奨について、反対の意を表明した。

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花王は、ISSの推奨レポートには、同社のサプライチェーン管理体制の全体像やガバナンスの実態が十分に反映されていないと指摘する。ISSのレポートには、オアシス側の主張をそのまま前提とした記述が複数含まれており、花王が確認している事実関係とは異なることを強調した。

花王が特に、ISSレポートに関して「明確に異議を述べる」としたのは、オアシスの調査結果を花王が3月5日より前に受領したことを前提にした記述だ。

ISSのレポートは、「調査結果は会社に共有されたが、オアシス社は取締役会が実質的な回答を提供しなかったと主張している。さらに、2026年3月5日に要約報告書を公開した」と記すが、花王は、2026年3月5日より前に「当該資料を受領した事実は一切確認されていない」と強調する。

そのうえで、「オアシス社の一方的な主張をそのまま記載し、当社への事実確認を行わないまま推奨の前提としている」と指摘した。花王は、「議決権行使助言会社として推奨を行う以上、当事者双方の主張の整合性を確認することは最低限の手続きであり、一方当事者の未検証の主張を推奨根拠に組み込まれたことは、誠に遺憾」と表明した。

北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

オルタナ輪番編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部、2024年1月からオルタナ副編集長。

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