記事のポイント
- 米SECがバイデン政権下で策定した気候関連開示ルールの撤回に向けて動き出した
- SECは「投資判断にとって重要な情報」に重点を置く方針を示す
- ESGの後退という見方もあるが、カリフォルニア州の気候開示方は維持する見通しだ
米国証券取引委員会(SEC)が、バイデン政権下で策定した気候関連開示ルールの撤回に向けて動き出した。SECは5月4日、ルール廃止案をホワイトハウス行政管理予算局(OMB)へ提出し、正式な撤回手続きに入った。SECは「投資判断にとって重要な情報」に重点を置く方針を示した。(オルタナ輪番編集長・吉田広子)
■財務的に重要な情報に重点を置く
SECは今回の見直しについて、「法的権限に沿った中核的使命への回帰」と説明し、証券規制における「マテリアリティ重視」の原則を再強化する姿勢を示した。ESG要素を広く開示対象とする従来方針から、財務的に重要な情報に重点を置く方向だ。
気候関連開示ルールは、バイデン政権下でSEC委員長を務めたゲーリー・ゲンスラー前委員長の下で導入された。企業に対し気候変動に伴う事業リスクや温室効果ガス排出量の開示を求めていた。
■撤回の背景に州や業界団体による訴訟も
しかし、米商工会議所や共和党系州の司法長官らは、「SECには気候政策を推進する権限はなく、投資家保護の範囲を逸脱している」などとして相次いで提訴した。温室効果ガス排出量や気候リスクの詳細開示義務について、「企業に過度な負担を課す」との反発が強く、複数の訴訟は連邦控訴裁判所で併合審理されていた。
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■カリフォルニア州の気候開示法は継続する見通し

