■オルタナ本誌60号 世界のソーシャル・ビジネス 欧州編 スイスから
海がないスイスでも魚介類の消費は増えている。湖の捕獲魚や小規模で生産された養殖魚もあるが、96%は輸入だ。一番人気のサーモンも輸入で、ほとんどが海面養殖だ。そんな中、国内の山水を利用し、抗生物質不使用で成魚まで室内で養殖しているスイス・アルパイン・フィッシュ社が奮闘している。(チューリヒ=岩澤 里美)
海面養殖のサーモンには、いくつか問題がある。排泄物などによる水質汚染や抗生物質の過剰使用、病原が海に流れることによる野生のサーモンへの悪影響、輸入国への長距離輸送などだ。
これらの課題を克服してサステナブルなサーモンを養殖したいと、異業種に就いていたユリアン・コナー氏とロナルド・ヘルクラインス氏は2013年、同社を設立した。
同社の陸上養殖場は、チューリヒから車で2時間ほど離れたイタリア国境近くの山間部にある。周囲には農家はなく、化学肥料や家畜の糞尿が水源に届く心配はない。
*この続きは雑誌「オルタナ」60号(第一特集「循環経済(サーキュラーエコノミー)はR(リサイクル)よりもR(リデュース)」、3月30日発売)に掲載しています。