記事のポイント
- 日本で「ひとり親」の相対的貧困率は44.5%と、相変わらず高い水準となった
- 厚生労働省がこのほど発表した調査(2021年実施)で明らかになった
- 子どもの相対的貧困率は少し改善したものの、米韓にも抜かれ先進国最悪に
日本で「ひとり親」の相対的貧困率は44.5%と、相変わらず高い水準であることが分かった。厚生労働省がこのほど発表した「国民生活基礎調査」によると、子どもの相対的貧困率は、2021年に11.5%となり、2018年(14%)に比べて2.5ポイント改善したものの、米韓にも抜かれ先進国で最悪の数字になった。(オルタナ編集部・下村つぐみ)

貧困率は、世界の経済や社会福祉の向上のため活動を行うOECD(経済協力開発機構)の基準に基づいて算出される。
2015年にOECDが定めた新基準では、就労所得や年金所得、仕送りなどの現金収入の合計から自動車税、企業年金の掛金、仕送り額を除いた額が可処分所得となる。
これを世帯員数の平方根で割ったものが等価可処分所得になり、この所得の半分に満たない世帯が相対的貧困にあたる。
2021年の日本の等価可処分所得の平均は 127 万円だった。子どもの貧困率は「大人が2人以上」、「子どもがいる現役世帯」、「ひとり親」の順で高かった。特に、「ひとり親」の相対的貧困率は44.5%と未だに高い水準だ。
「ひとり親」世帯数は、等価可処分所得が100 万円から140 万円未満で低下している。等価可処分所得の平均近くの世帯数が低下していることから、貧困格差が大きくなっている。
OECDの最新調査では、コスタリカの貧困率が27.4%と38カ国中で一番高かったが、日本の「ひとり親」の相対的貧困率はこれ以上に高い状態だ。