ハイチ、「薬、ランプ、ハンマーが足りない」――駐日代理大使

1月12日にハイチ共和国を襲ったマグニチュード7.0の地震で、同国のプレバル大統領は2月、地震による死者が30万人に達する可能性を示唆した。2004年のスマトラ沖地震の犠牲者数20万人を上回ることになる。

ハイチのジョン・クロード・ボード駐日代理大使も、東京で開催された旅行業界及び国際分野で活躍する人々の親睦団体TTCJの例会で、最優先課題は感染症の予防であり、3月の雨期に感染症の拡大が大きな懸念だと指摘した。薬、ランプ、ハンマーなどの物資が圧倒的に不足しており、日本からのさらなる援助を求めた。同駐日代理大使の発言は次の通り。

「1月12日の被災後、ハイチ政府は直ちに国際社会からの支援を受け入れました。被害を最小限に食い止めて復興するべく、努力しています」

「最優先課題は感染症の予防です。熱帯の強風と豪雨から人々を守るための避難所、そして夜の安全のためのランプも足りません。未だに犠牲者の腐敗臭に悩まされている地区もあります。シャベルやハンマー、ミノといった、コンクリートを砕くための道具が不足しているために、瓦礫を小さくして撤去することができません」

「首都のポルトープランス以外ではさらに深刻です。100床しかない病院が400人の負傷者を受け入れたというレポートがありました。300人は薬をあたえられただけ。薬のストックはあっという間になくなりました。ほかの町では60床の病院に400人の負傷者が。同じことが多くの町で起きています。犠牲者の冥福も祈るべきですが、生存者が生き延びることが優先課題です。座って愚痴をこぼし、泣いている余裕はありません」

「犠牲者の数はさらに増えると予想されています。ポルトープランスから郊外へと移った人々の数は76万人で、さらに増えるでしょう。120万人もの人々が未だにテント暮らしです。テントは安全ではありません。雨季が迫っているからです」

「私たちは、支援を表明している日本の皆さんに感謝しています。経済的、技術的、物質的、医薬的支援は、悲劇のトラウマへと立ち向かう助けになります」

「最後に繰り返しますが、緊急に必要としているのは感染症流行の予防対策です。雨季には毎日多くの雨が降ります。ハイチは平坦な国ではないので、雨は平地に降るだけでなく山からも溢れて来ます。平地では溜まった水が病をもたらします。3月の雨季までにコントロールできなければ、続く6月のハリケーンシーズンには何が起こるか予想がつきません。これが現在の私たちの状況なのです」

(たかせ藍沙)

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