企業の社会貢献活動の振り返りと次なるステップ【サステナビリティ・ウォッチ】

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菊地 辰徳(株式会社イースクエア コンサルティンググループ マネジャー)

日本企業がグローバルに社会貢献活動へ力を入れ始めたのは1985 年のプラザ合意がきっかけの一つだと言われている。

このプラザ合意による円高で米国に進出する日本企業が増え、1985年に在米日系企業が250社、5年後の90年には1600社に急増した。

その間、日本企業は米国企業や不動産の買収を加速、米国内で「日本脅威論」が起こるなど、ジャパンバッシングが高まった。

このような背景により、日本企業は自動車や電子産業の工場を現地に設立するなど事業拡大を進め、現地に溶け込むべく社会貢献活動にも力を入れたのである。

この時期は、日本国内においても、薬害エイズ問題やリクルート事件などが相次ぎ、これらの不祥事に対応するかのように日本経団連の1%クラブが1990年に発足、1991年には企業行動憲章が採択された。

1980年後半から90年初頭にかけて、日本企業の社会貢献活動が急速に拡大したのは、「積極的に社会課題の解決に寄与する」という能動的なアクションというよりは、「やらざるを得ない」状況に直面したことが一因だったと言える。

その後2000年前後になると地球規模の環境・社会問題の議論が活発化する。併せて、一国のGDP を上回る売上規模をもつ企業が現れるなど、産業界の社会に対する影響力が強くなることで、企業が社会課題の解決に積極的に貢献することが以前にも増して求められるようになる。

しかし、企業は営利を追求する組織である。社会からの要請に耳を傾け寄付を増やせば、一定の評価は得られるものの、その寄付が事業にプラスの効果をもたらさなければ、株主への説明が困難になる。したがって、片方を取れば片方を失う、営利を追求する組織の社会貢献活動にジレンマが生じるのである。

そこで求められるのが、社会課題の解決を事業目標達成上の課題の改善・解決にも結び付ける戦略的な社会貢献活動である。

では、日本企業の戦略的な社会貢献活動に対する課題意識をみてみよう。

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2014年8月13日(水)12:52

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