「五箇条の御誓文」こそがCSR の基本的考え方【戦略経営としてのCSR】

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大久保 和孝(新日本有限責任監査法人CSR推進部長)

我国はTPPなど聖域なきグローバル化の要求が突き付けられ、経済環境とともに、社会の価値観も大きく変化している。このような状況は、幕末から開国にかけての明治維新の時代と環境が似ている。このような時代を乗り越えていくためには、明治政府の基本方針である、憲法制定の基礎になったといわれる「五箇条の御誓文」にヒントがある。これは、筆者の先祖である木戸孝允が中心となってまとめたものであり、筆者自身のCSRに対する信条もここにある。

「五箇条の御誓文と現代語訳」

一.広く会議を興し、万機公論に決すべし。(広く会議を開いて、すべて政治は人々の意見によって行われるべきである)
二.上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし。(上の者も下の者も心を合わせて国を治め人々の生活を安定させる政策を行うべきである)
三.官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す。(公家も武家も庶民にいたるまで、それぞれの意志がとげられるようにし、人々が失望したりやる気を失うようなことがないようにすべきである)
四.旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。(今までの悪い習慣をやめ、国際法に基づいて行動していくべきである)
五.智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし。(知識を世界に求め、天皇による統治の基礎を奮い起こすべきである)

五箇条の御誓文を現代的に解釈し直してみると、新しい組織を作り新しいことを始めようとする時、普遍的・本質的な示唆を与えてくれる。

一.自由で平等な社会を目指して、「あらゆる重要な事項は、万人が参加する公開の場で一から議論して決めていく」という方針を冒頭に掲げた。価値観が錯綜・複雑化する社会では、物事は一方的に決めるのではなく、身分や立ち位置に関係なく、あらゆる人々を巻き込んだ形での「公衆の認める議論を持つ」ことの重要性を説いている。地域コミュニティなども含む、あらゆるステークホルダーを巻き込み、環境変化に柔軟に適応した組織運営を目指さなければならない。

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2014年8月21日(木)11:45

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