いいレポート・ツールをつくるために【CSRコミュニケーションのこれから】

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そしてここからがさらに重要なのですが、そのやる気を制作会社にも「伝染」させてください。打ち合わせを通じて、そのやる気を伝えるのです。上手くやる気が伝われば、制作会社も一生懸命に動いてくれるでしょう。デザイナーもコピーライターも人ですから、なるべく好きなクライアントのためにエネルギーを使いたいものです。ただし、金曜の夕方に連絡して月曜の朝イチに資料を提出、というような依頼はなるべく控えていただけると助かります。相手にも家庭や生活がありますから。

制作会社を選ぶ方法としてコンペがありますが、むしろ実際の制作段階では、担当編集者やデザイナーとの相性が重要になってきます。一度きりのプレゼンより、二、三度面接して、あなたのやる気や求めるスキルとマッチする人物なのかどうか、じっくり話してみることをおすすめします。

レポートの「品質」についても考えてみましょう。例えば、用字用語の統一。「行う」と「行なう」はどちらも正しいのですが、一つの記事の中に両方あると気持ち悪いものです。また、日本語文法が間違っているレポートもしばしばありますが、正しい意図が伝わらないのは問題です。特にトップメッセージは、社内だけで完結せず、制作会社や校正者にチェックをしてもらってから発行しましょう。さらに、印刷にかかる前やウェブサイトを公開する前、最終段階での入念なチェックもいいレポートづくりのためには有効です。急いでいると、意外と重大な間違いを見落としてしまいがちです。

これらは、企画やデザインの善し悪し以前の基礎部分の品質の話です。読者にお金をいただくわけではありませんが、貴社の名前がついた貴社を代表するツールです。商品と同じように、品質にも配慮されてはいかがでしょうか。

そして、発行したレポートが一通りの評価を受けたら、総括の打ち合わせをしましょう。評価の要因をプラスマイナス両面から分析することが、次のレポート企画につながります。

ここまでをCSRでよく聞くキーワードで表現すると、「ワークライフバランス」「公正な事業慣行」「品質保証(管理)」「リスクマネジメント」「CSR調達」「PDCAサイクル」あたりでしょうか。商品ではないとはいえ、レポート制作も立派な事業活動です。貴社のCSR基本方針などに則って、いいツールをつくりましょう。

【いちかわ・すぎと】大気や水、廃棄物などの環境分析の現場実務を経て現職。CSR レポートが環境報告書だった時代からCC ツールの制作支援に携わっており、技術や数値を理解した上での提案・編集を重視している。凸版印刷が毎年秋にリリースする「CSR コミュニケーション分析データ集」の調査・編集にもかかわる。

(この記事は株式会社オルタナが発行する「CSRmonthly」第10号(2013年7月5日発行)から転載しました)

市川 杉人氏の連載は毎月発行のCSR担当者向けのニュースレター「CSRmonthly」でお読みいただけます。詳しくはこちら

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2014年11月4日(火)17:06

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