注1)11月28日にウクライナのザポロジェ原発で事故が発生、続けて11月30日にはベルギーのティアンジュ原発では火災により原子炉一基が運転を停止しました。ウクライナでの事故のニュースを受け、欧州では株式市場ですぐに影響が現れるなど、原発の危うさを再度露呈させました。世界に多くの原発がある中、日本に限らず、日々何らかの事故が生まれています。
一方で、脱原発へ向けた動きもあります。ドイツの電力会社の最大手エーオンは、原子力は経済的な採算がとれない、また将来性がないと見て本体から切り離し、上場させると発表しました。
また、冷戦時に多くの核実験により被害を受けたフランス領ポリネシアでは、議会がフランス政府に対して責任を問うための起訴を準備しています。お隣韓国では各地の原発付近に住む甲状腺がん患者223人が集団提訴をするという流れが生まれています。
◆「欧州株が一時的に上げ縮小、ウクライナで原発事故との報道」(12月3日 ロイター)
◆「ベルギー原発で火災発生、原子炉運転停止」(12月1日 AFP)
◆「独最大手、原発を分離 再生可能エネルギーに特化」(12月1日 中日新聞)
◆「韓国の原発付近住民、甲状腺がん患者223人が集団提訴―中国メディア」(11月28日 新華社)
注2)
【12月1日 AFP】ベルギー東部のティアンジュ(Tihange)原子力発電所で11月30日に火災が発生し、原子炉1基が運転を停止した。同国メディアが報じた。同国で稼働が停止している原子炉はこれで4基目となった。
リエージュ(Liege)近郊にある原子力発電所のこの原子炉は、フランスのエネルギー大手GDFスエズ(GDF Suez)傘下のベルギー電力大手エレクトラベル(Electrabel)が運用する 原子炉7基のうちの1つだ。
同発電所に隣接する都市ユイ(Huy)のアレクシス・フーショー(Alexis Housiaux)市長によると、今回の火災は「原子炉の区域外で発生した」という。
エレクトラベルは、ティアンジュ原発で発生した今回の火災は正午頃に鎮火したと発表。これまでのところ「原発の安全性および原発職員と近隣住民の安全性への影響は全くない」としている。
予備調査では「人為的な破壊行為」の可能性も排除され、火災は「技術的な原因」で発生したとの結論が下された。同国では8月、別の原発で原子炉が停止しているが、この原因については「人為的な破壊行為」あったためとされている。
アントワープ(Antwerp)とティアンジュにある別の原子炉2基も3月以降稼働を停止している。原子炉容器に微小なひびが発見されたためだ。この2基は2012年6月~2013年6月の1年間にも稼働を停止していた。ベルギーは電力の約55%を原子力発電に依存している。