シュロ、気がつけばそこかしこにーー私たちに身近な生物多様性(9)[坂本 優]

坂本 優
アサヒグループ食品株式会社 人事総務部
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坂本優

IUCN(国際自然保護連合)が定義する「絶滅のおそれのある野生生物のリスト」には、2014年11月時点で約2万2千種が登録されている。生物多様性の確保は喫緊の事項だ。本コラムでは、味の素バードサンクチュアリ設立にも関わった、現カルピス 人事・総務部の坂本優氏が、身近な動物を切り口に生物多様性、広くは動物と人との関わりについて語る。(カルピス株式会社 人事・総務部=坂本 優)

意識していなければ見過ごしてしまうが、気がついて見渡すと、周囲に広く存在している。世の中には、そんな物や事柄がめずらしくない。

私にとってその典型は、植物のシュロだった。あるとき教えられ、回りを見ると、こんなにも沢山あったのか、と驚くほど道端、土手、藪、林、公園、いたる所にシュロは逞しく根付いていた。

三四郎池外周林10月

三四郎池外周林10月

当初、中でも驚いたのは、明治神宮の林である。明治神宮には、全国から木々を集めたと聞くが、シュロは、わざわざ植えられたものではなく、野鳥が種を運んだものだろう。しかし、天然林とも見まがう神宮の杜の下生えとして、最も繁茂しているのはシュロではないか。そう感じるほど、場所によって多くのシュロを目にした。

明治神宮では、日本の自然林を再生すべく、基本的には植生に手をかけない、と聞くが、2009年以降継続して観察するに、シュロについては、低木レベルの樹高のものは多くあるものの、中高木のものは低木の数に比べて少なく、ある程度成長したところで、一部を択伐しているように感じた。

聞きかじりであるが、シュロの種は、氷点下3~4度程度まで冷えると発芽しない、木も氷点下7~8度まで冷えると枯死し始める、そんな話を聞いたことがある。

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坂本 優
アサヒグループ食品株式会社 人事総務部
1953年生まれ。東京大学卒業後、1979年、味の素㈱入社。本社にて法務・総務業務、工場・支社にて総務業務を担当。2011年、カルピス㈱に出向(2012年転籍)。 同社で法務・コンプライアンス業務等を担当。2016年1月より現職。大学時代、「動物の科学研究会」に参加。味の素東海事業所在籍時、現「味の素バードサンクチュアリ」を開設するなど、生きものを通した環境問題にも通じる。(趣味ラグビー 関東ラグビー協会理事)

2015年6月18日(木)23:50

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