障がい者雇用成功のカギは採用プロセスの構築(3)[橋本 一豊]

橋本一豊2

前回のコラムでは、障がい者雇用を検討している企業の具体的なニーズと、それに対応する支援機関について説明した。第3回となる本コラムでは、採用プロセスに関わる就労支援機関とのやり取りについて説明する。(NPO法人WEL’S新木場代表=橋本一豊)

前回のコラムで記述したように、就労支援を行う機関が連携しそれぞれの役割の中で企業の支援ニーズに対応しているが、企業の雇用ニーズの実情や採用のタイミング、地域性、労働市場の状況によって変化があるため実情に合ったプロセスの構築が必要になる。

参考までに、今まで対応した主な事例からの採用プロセスを紹介すると、企業担当者が雇用を検討する段階から、就労支援機関との打合せを行い、就労支援に関わる情報提供を行う。多くの場合、企業担当者が把握している情報と支援機関が持っている情報や認識のギャップがあるため情報の整理が必要になる。

さまざまな実情や支援ニーズに応じて必要な支援サービスの組み立てを行い、企業の採用計画と方針に沿ったスケジュールの調整を行う。

スケジュールの概要については、図1を参照いただきたい。

企業担当者と支援機関の間で、認識のギャップがある場合も多い。ヒアリングや見学などを盛り込みながら、綿密な情報共有を行うことが重要だ
企業担当者と支援機関の間で、認識のギャップがある場合も多い。ヒアリングや見学などを盛り込みながら、綿密な情報共有を行うことが重要だ

「ステップ1」のヒアリングでは、企業の採用計画や方針を聞き取り、ヒアリングシートに落とし込み情報の整理を行う。ここでは、障害者雇用におけるタスクを確認する。
・採用予定人数はどのくらいか
・採用予定日はいつにするか
・作業内容はどうするか
・雇用条件はどうするか
・雇用管理はどうするか
などである。
支援機関はこのような情報をプロフィール表などにまとめ今後の支援に備える。また、初めて雇用を検討する企業に対しては、参考になる企業への見学などを行う。

「ステップ2」では、上記のタスクを踏まえたうえでのスケジュールの調整と確認を行い、実際の現場の状況や作業内容などを確認していく(職場のアセスメント)。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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