ブリタCEO「浄水器で海洋プラごみ問題に貢献」

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世界70カ国以上で家庭用浄水器などを販売するブリタ(本社・ドイツ)には「水の飲み方を持続可能な方法に変えていく」というビジョンがある。2017年には「マイボトル型」浄水器も投入し、これにより海洋プラスチックごみ問題や廃棄物問題に貢献したい考えだ。マーカス・ハンカマーCEOに同社のサステナビリティ戦略を聞いた。(聞き手・文=オルタナ編集長 森 摂、同副編集長 吉田 広子)

ブリタのマーカス・ハンカマーCEO

――ブリタは1966年、ドイツで創業しました。いま世界規模ではどのくらいのビジネスになっていますか。

ブリタは25カ国に関連子会社があり、販売代理店などを通じて世界70カ国以上で商品を販売しています。2017年のブリタグループの売上高は4億9400万ユーロ(約615億円)に上りました。

日本法人ブリタ・ジャパン(東京・中央)は2006年に設立しました。日本は世界でも上位5位に入る大きな市場です。

当社のビジョンは「人々の水の飲み方を、持続可能な方法に変えていくこと」です。私たちは、企業が消費者の行動をより良い方向に変えることができると信じています。

――海洋プラスチックごみ問題は深刻です。世界が1年間に消費するペットボトルは約4800億本にも上るなか、ブリタの浄水器は解決策の一つになりえます。

ドミニカ国は、2019年1月からプラスチックや発泡スチロール製の使い捨て容器を全面的に禁止しています。同国では、海面が見えないほどの大量のプラスチックごみが大きな問題になっています。海岸にはごみがあふれ、観光客は泳いだり、ビーチに寝転んだりすることもできません。

「2050年には海洋プラスチックごみの量が海にいる魚を上回る」という予測もあり、事態は深刻です。同時に、市民も政府も企業も「何かしなければならない」という使命感があります。

■「水の飲み方」を持続可能に

――世界中で同様の問題が起きています。ドイツの企業は海洋プラごみ問題にどう取り組んでいますか。

ドイツ企業を代表して話すことはできませんが、正直に言うと、プラスチック自体は社会に必要なものだと考えます。消費者がプラスチックなしで生活することはとても難しいのです。

ただし、水を飲むためだけにプラスチックを使うことは得策ではありません。プラスチックは何百年も分解されずに残ります。それを「使い捨て」にすることは常軌を逸しています。

私たちの社会は変化しなければなりません。そこで、私たちのビジョンである「水を飲む方法をサステナブル(持続可能)にする」が生きてきます。

私たちが定義するサステナビリティ(持続可能性)には2つの意味があります。1つは環境負荷を減らすこと。もう1つは、生活習慣を変えることです。それは簡単ではありませんが、本当に変えたいのです。もちろん時間が掛かるのは分かっています。

私たちはペットボトルを使わないための解決策を見つけました。ペットボトルは飲み終わったらすぐに捨てられてしまうものです。

私たちは家庭、オフィス、通勤、食事、スポーツなど、さまざまな状況で水分を取ります。今はまだペットボトルを使うことが多いですが、もっとスマートで、オルタナティブ(代替的な)「飲み方」もあるのです。プラスチックを使い捨てにしなくて済む解決策です。

――それがマイボトル型の浄水器「fill&go(フィル&ゴー)」ですね。私も持っています。

ボトル型浄水器「フィル&ゴー アクティブ」。色は4色展開

とても簡単でしょう。水道水を入れれば、飲む時にフィルターで浄水できるボトルです。これがあれば、もう多くのペットボトルを使い捨てにしなくても良いのです。スポーツの時も、通勤時でも、水を飲むスタイルを変えられます。 健康的でもあります。

――いつこの商品を発売したのですか。

約2年かけて開発し、2017年に販売しました。これが「水の飲み方を変える」商品です。いま世界中のオフィスやホテルでもペットボトルを使っています。病院でも学校でも同じです。

そこで、当社はまずドイツで、大学生をターゲットに、スマートで価格も安い水の飲み方を提案するという新しいキャンペーンを始めます。

水道水を入れるだけなので、学生にとってもコストが掛からないわけです。フィルターを替えるだけで、何百回でも何千回でも使えます。

――日本人はあまり生活の変化を好みません。「fill&go」は日本でも受け入れられるでしょうか。

一度、使ってもらえたら、日本の消費者にもその良さはきっと分かってもらえると信じています。ペットボトルの使い捨てによる環境負荷も抑えられます。日本は、フランスやフィジーからペットボトルのミネラルウォーターを輸入しているそうですね。それは本当にサステナブルなのでしょうか。地元の水で十分だと思います。

■ガソリンスタンドを起点にビジネスを拡大

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2019年4月1日(月)11:34

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