盗伐がむしばむ日本林業の価値(田中 淳夫)

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「森を守れ」が森を殺す 42

ここ数年、宮崎県では「無断伐採」が頻発している。他人の山を所有者の了解なしに伐採してしまう行為だ。

地籍調査を終えた杭が明確にある山でも発生しているから誤伐ではない。

伐採届の記載は30坪の土地なのに何ヘクタールも伐採された例も発覚したほか、伐採届を提出していない・偽造したケースもある。

あきらかに森林窃盗や有印私文書偽造などの犯罪行為が横行しているのだ。

山を丸裸にし、再造林もしないから災害の心配も高まる。

宮崎県盗伐被害者の会に加入しているのは現在88家族だが、実態はその100倍以上、件数も1000件を超すだろう。

さらに見逃せないのは、警察が被害届を受理しない、受理しても検察が不起訴にしてしまう……という現実だ。

何か大きな力が働いていると思わざるを得ない。

その背景にあるのが「林業を成長産業に」という国の掛け声と木材増産圧力だ。

*この続きは雑誌「オルタナ」58号「SDGs時代の地域金融」(9月30日発売)に掲載しています。

田中 淳夫(たなか・あつお)
森林ジャーナリスト。1959年生まれ。主に森林・林業・山村をテーマに執筆活動を続ける。
著書に『森と日本人の1500年』(平凡社新書)『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』『鹿と日本人』(ともに築地書館)
『森は怪しいワンダーランド』『絶望の林業』(ともに新泉社)などがある。

2019年10月25日(金)10:21

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