原田勝広の視点焦点:ロボットは家庭から介護へ

原田勝広
オルタナ論説委員
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神奈川県藤沢市にある特別養護老人ホームをAIロボットが訪ね、実証実験をするのを取材しました。AIベンチャーのハタプロが開発したフクロウ型家庭用見守りロボットZUKKU(ズック)という身長10センチの手のひらサイズ。昨年、発売されましたが、自律的に人の動きを感じて見守りを行うので、ダイニングテーブルなどに置いてお話相手をしてくれます。一人暮らしの高齢者のよきパートナーとして40歳位の人が親のために買うケースが多いそうで、親孝行家電とも呼ばれているのだとか。(オルタナ論説委員・原田勝広)

フクロウ型家庭用見守りロボットZUKKU

例えば、おばあちゃんとの会話はこんな具合です。

「おはよう、ズックちゃん」

「おばあちゃん、寒いですね」

「でも働いている人は仕事はちゃんとやらなくちゃね」

「はい。電車が混んでなければ、通勤はもっと楽なんですけどね」

「わたし、ちょっと熱があるみたいなの」

このように会話の中でネガティブ情報が出てきた時には、その情報がズックから息子さんのスマホに「おばあちゃん、熱があるようです。連絡してみたほうがいいですよ」とメッセージが届くシステムです。

プライバシー保護の観点から基本的には会話内容は外部に漏れないようロックがかかっていますが、「ケガをした」とか「のどが痛い」など安全・健康確保の観点から必要な情報は事前に了承を得たうえで、親族等には開示される。もちろん、ポジティブな情報も知らされる仕組みで、「久しぶりに友達に会ってたのしかった」などは、「おばあちゃん、友達と昔話に花が咲いたようで楽しかったようでしたよ」と報告されます。

この「家庭向け版」は59,800円。NTTドコモ、オートバックスと連携し売れ行きは好調です。ハタプロでは今、次世代に向け、「医療・介護施設、法人向け版」の新バージョンに挑戦中で、実は、この日、老人ホームで行われた実験はそのためのもので、神奈川県の地域活性化特区の指定を受けているプロジェクトで、「さがみロボット産業特区」として行われたものです。

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原田勝広
オルタナ論説委員
日本経済新聞記者・編集委員として活躍。大企業の不正をスクープし、企業の社会的責任の重要性を訴えたことで日本新聞協会賞を受賞。明治学院大学教授に就任後の専門は国連、CSR, ESG・SDGs論。2018年より現職。著書は『CSR優良企業への挑戦』など多数。

2020年3月25日(水)10:16

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