世界の小売業が注目する「養殖品のエコラベル」

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BAP認証

国内で有名な水産エコラベルといえば「漁業」を対象とするMSC認証(英・海洋管理協議会)などが知られるところだ。これに加えて近年、BAP認証というラベルも注目されるようになった。

この認証は、米国のNGO・世界養殖連盟(GAA)が2002年から運営している「養殖業」を対象としたプログラム。①生産チェーンの全体を認証対象に含む点(孵化工場・飼料工場・養殖場・加工場)、②幅広い観点の認証基準を持つ点(持続可能性・社会的責任・食品安全・動物福祉)を特徴とする。

認可施設が生産した水産物にはラベルの添付が可能。「孵化工場から加工場まで認可を受けた生産品は★4つ」という具合に4段階の表示を行う。認証施設数は2019年時点で世界2681ヶ所にのぼる。

「米国小売市場の70%がBAP認証の2つ星以上を要求」(GAA・2019年年次報告書)するなど、世界中の小売企業が認証品の調達を公言した点も注目される。

オンラインとオフラインとの融合で知られる、アリババ傘下の次世代スーパー・盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)も、同認証を調達方針に取り込むことを明らかにして話題になった。

morihiroshi

もり ひろし(新語ウォッチャー)

新語ウォッチャー。国語辞典の新項目執筆を中心に活動。代表的な連載に「現代用語の基礎知識」の流行観測欄(2010年版~)など。執筆記事一覧

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