日立製作所、日本生命保険、三菱UFJなど19社は、ESG(環境・社会・ガバナンス)情報開示についての研究会を6月下旬に発足すると発表した。企業の情報開示のための指標づくりや機関投資家が参画するプラットフォームなどのインフラ整備を通じ、企業とステークホルダーの相互理解を深め、ESGに取り組み企業の企業価値の向上に貢献することが狙いだ。(オルタナ総研コンサルタント=室井孝之)
各社に研究会設立を呼び掛けた増田典生日立製作所サステナビリティ推進本部主管は、設立の背景を、「企業へのESG情報開示の要請が年々高まり、開示ガイドラインもグローバルで様々提示された。その一方、事業会社・機関投資家などのステークホルダー間で、開示内容、方法、ESG評価手法に関して考えの相違やギャップがあると問題意識を持っていた。会員企業と共有していく中で、一企業で解決にあたるのではなく、監査法人、機関投資家、会計事務所、事業会社というステークホルダーが連携し、より良い社会を築くための協働のあり方を探ろうと研究会を立ち上げた」と話した。
ESG情報開示に関する参加各社共通の課題は、「経営に如何にサステナビリティ視点を組み込み、日々の事業の中で機能させるか」「事業が創出する社会・環境インパクト項目をどう特定、測定するか」「社会・環境インパクトと財務インパクトをどう紐づけするか」「情報開示、ステークホルダーエンゲージメントにおいてストーリーテリングの重要性が十分図られている姿はどうあるべきか」であった。