「日本環境経営大賞」、前田建設工業らが受賞

えこりはの事業スキーム図(三菱オートリースのホームページから)

三重県は、企業や団体の優れた環境経営の取り組みを表彰する「日本環境経営大賞」の受賞者を3月29日、発表した。

「環境経営部門」では、前田建設工業(東京・千代田)らが「環境経営パール賞」を受賞、「環境価値創造部門」では、早稲田摂陵中学校・高等学校(大阪府茨木市)や前川製作所(東京・江東)らの連携プロジェクトが「環境価値創造パール大賞」を受賞した。

「日本環境経営大賞」とは、持続可能な社会の構築を目指し、企業や団体の優れた環境経営の功績を称えるための表彰制度。三重県は、2002 年度から毎年、事業規模の大小や業種・業態にかかわらず、優れた環境経営の実践や環境価値創造への貢献事業を表彰してきた。

日本環境経営大賞には、「環境経営部門」「環境価値創造部門」「CO2 削減部門」の3 部門がある。「環境価値創造部門」は、環境に関する製品・サービスやビジネスモデルに加え、ライフスタイルの転換へのムーブメントにつながる環境保全の取り組みが、新たな環境価値の創造に貢献している事例を表彰するものだ。

「環境経営パール賞」を受賞した前田建設工業は、経営方針と環境方針を一致させ、環境経営に取り組んでいる。建設時には、低燃費建機やLED照明の使用や建設機械へのバイオ燃料の導入などを行うほか、建設副産物の再資源化などCO2と廃棄物の削減に取り組んでいる。

建造物の運用段階では、省エネルギー性能の高い空調や照明などを取り入れた環境配慮設計の推進や、地中熱などの自然エネルギーなどの環境関連技術の開発にも取り組む。さらに、独自のエコポイント制度を導入し、社員だけでなくその家族の環境活動も支援している。

環境価値創造部門で「環境価値創造賞」を受賞した「EV コミュニティ・えこりは」は、三菱オートリースとアズビルの共同プロジェクトだ。えこりはは、三菱オートリースの電気自動車(EV)リースを利用している会員が集まり、EV の普及促進や環境貢献活動を行うことを目的としたコミュニティだ。

えこりはでは、個々のEV利用者 が生み出す小規模なCO2 排出削減量を会員連携で取りまとめ、コミュニティ全体で相応の削減量を確保すること で、環境貢献結果のクレジット化(排出権化)を実現している。はこれまでに、30t-CO2(2011 年3 月23 日認証分)、38t-CO2(2012 年3 月23 日認証分)の排出削減量が国内クレジット認証委員会からの認証を受けた。

「環境価値創造パール大賞」は、早稲田摂陵中学校・高等学校(大阪府茨木市)や前川製作所(東京・江東)ら6組織が協働したエコスクール化プロジェクトが受賞した。

太陽熱を熱源とする吸着冷凍装置を用いた冷暖房装置を実証事業として学校の教室に設置している。吸着冷凍機、太陽熱集熱器、デシカント空調機、輻射パネルのそれぞれのメーカーが連携することによって、これまで活用できなかった太陽熱による低温水を活用した空調システムを実現。湿度調整と輻射パネルの活用により風の出ない空調にすることができ、快適な教室空間を作り出している。

受賞者一覧は次のとおり。

<環境経営部門>

■環境経営パール大賞(環境経営部門の最優秀賞)
・前田建設工業株式会社(東京都)
・エス・エヌ・ケー・テクノ株式会社(三重県)

■環境経営優秀賞 ※五十音順
・京セラ株式会社福島棚倉工場(福島県)
・工藤建設株式会社(岩手県)
・株式会社大地を守る会(千葉県)

<環境価値創造部門>

■環境価値創造パール大賞(環境価値創造部門の最優秀賞)
・株式会社前川製作所(東京都)、早稲田摂陵中学校・高等学校(大阪府)、新晃工業株式会社(大阪府)、ピーエス工業株式会社(東京都)、株式会社寺田鉄工所(広島県)、大成建設株式会社(東京都)の6組織による連携

■環境価値創造賞
・EVコミュニティ・えこりは(東京都)

<CO2削減部門>

■CO2削減パール大賞(CO2削減部門の最優秀賞)
・株式会社阿寒グランドホテル(北海道)

<表彰委員会特別賞>

・社会福祉法人浄英会 恵和保育園(新潟県)
・正和電工株式会社(北海道)

(オルタナ編集部=吉田広子)

 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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