脱原発の争点、知事選に飛び火――鹿児島と山口

22日に山口市内で開いた記者会見で「エネルギー政策を変えることは自分の使命」と語った飯田哲也氏

鹿児島県知事選(6月21 日告示、7月8日投開票)、山口県知事選(7月12 日告示、29 日投開票)が相次いで行われる。

野田政権が国会での議論を尽くさずに大飯原発の再稼動を進めようとしているなか、その争点が知事選に飛び火した格好だ。

鹿児島知事選に出馬した向原よしたか氏は1996 年に「反原発・かごしまネット」を立ち上げ、事務局長として川内原発の問題に取り組んできた。

今回、知事選では、「さよなら原発。いのちと暮らしが一番大事」をメインに掲げ、基本政策では、「川内原発1、2号機の再稼働を許しません。3号機増設を白紙にします。再生可能なエネルギーを大胆に掘り起こしていきます」としている。

向原氏は「かごしま自然エネルギービジョン」を広く市民から公募するなど県民とともに「GREENING KAGOSHIMA」を構想している。

「脱原発・再生可能エネルギーへのシフトへ」を提言してきた飯田哲也氏は、立候補にあたって「311 後にエネルギー政策を変える使命があり、中央政府が逆回転し始めた今だからこそ、地域からの歴史的なダイナミズムを生みだしたい」と表明した。

さらに「日本中が閉塞感に覆われるなかで、故郷・山口から『脱官僚・脱中央・脱閉塞』による開かれたデモクラシー改革を通じて、『ほんとうに豊かな21 世紀の地域社会』を目指したい」と語っている。

「みどりの未来」(共同代表:須黒奈緒)は、この原発立地予定県の知事選に立候補(表明)した鹿児島県の向原よしたか氏、山口県の飯田哲也氏への支持を表明した。

みどりの未来は、「福井県大飯原発再稼働決定の最終局面において、関西電力、関西及び県内経済界の強力な巻き返しのなかで、西川知事は未来に向けた哲学を持つことなく、また広範な福井県民の願いと真摯に向き合うことなく、『原子力ムラ』の構造に組み込まれた『決断』を行った」と批判している。(オルタナ編集部=吉田広子)

 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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