EU、化粧品や人工芝などマイクロプラ使用製品の販売禁止

記事のポイント


  1. EUは、マイクロプラスチックを添加した消費財の販売禁止措置を採択した
  2. 人工芝に使う充填剤、化粧品、洗剤、柔軟剤など幅広い製品が対象だ
  3. 約50万トンのマイクロプラスチックの環境への放出を防げる見込みだ

欧州委員会は、マイクロプラスチックを意図的に添加した消費財の販売を禁止する。人工芝に使う粒状の充填剤や、マイクロビーズなどを含む化粧品、洗剤、柔軟剤、玩具など幅広い製品が対象だ。本規制によって、約50万トンのマイクロプラスチックの環境放出を防ぐ見込みだ。(オルタナ編集部・北村佳代子)

人工芝に使われる充填剤も規制の対象に

「この規制は、非常に小さな粒子に関するものだが、人為的な汚染削減のための大きな一歩だ」。EUのヴィルジニウス・シンケヴィチウス環境・海洋・漁業担当委員は、力を込めた。

新たな規則では、製品に意図的にマイクロプラスチックを添加することを制限し、そうした製品の販売を禁止する。有機性・不溶性・分解抵抗性で5ミリメートル未満のすべての合成ポリマー粒子が対象だ。

具体的には、人工芝に使う粒状の充填剤や、化粧品、洗剤、柔軟剤、光沢剤、肥料、植物保護製品、玩具、医薬品・医療機器などが制限の対象となる。

人工芝に使う粒状の充填材は、マイクロプラスチックの意図的な環境放出の最大の要因だ。

化粧品には、角質除去剤(マイクロビーズ)や特定の質感や香り、色を得るためなど、さまざまな目的でマイクロプラスチックが使用されている。

一方、マイクロプラスチックを含むが環境に放出しない建材や、工業用地で使う製品については、販売禁止措置の影響を受けない。しかし、製造業者に対し、毎年マイクロプラスチックの推定排出量の報告と、マイクロプラスチック排出防止のために製品の使用・廃棄方法に関するガイドラインの提供を義務付けた。

マイクロビーズを含む化粧品などの一部製品は、採択して20日後から適用となるが、その他化粧品は4~12年、人工芝に関しては8年といった移行期間を経て措置を適用する。

欧州化学物質庁(ECHA)は、産業界、スポーツクラブ、自治体などは今後20年間で新たな措置への適用に190億ユーロのコストが必要になると試算した。本規則によって約50万トンのマイクロプラスチックの環境放出を防げると期待する。

ティエリー・ブルトン欧州委員会域内市場担当委員は、「この規制はEU産業のグリーン転換に貢献するものだ」と期待を込めた。

「化粧品から洗剤、スポーツ用品に至るまで、マイクロプラスチックを使用しない革新的な製品開発を促進する。EU市民は、より安全でサステナブルな製品を入手でき、そうした革新的な製品に投資・開発する中小企業をはじめとする産業も競争力とレジリエンスを向上できる」

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

オルタナ副編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部。

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キーワード: #プラスチック

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