日本の世界遺産を破壊しているのは異教徒でも、テロリストでもなく、霞ヶ関の官庁だったというから驚きだ。すなわち、埋め立て工事を進めた国土交通省や、それを黙認した文化庁や環境省に責任がある。
しかも、今回の工事をユネスコ世界遺産委員会にも報告していない。上記のように、このままでは平城宮跡が世界遺産から登録抹消される可能性もある。
欧州では、「エコ」と「ジェノサイド」(大量虐殺)を組み合わせた「エコサイド」という考え方が広がりつつある。大量虐殺や戦争犯罪と並んで、国連が定める「平和に対する罪」の「第5の犯罪」として定めようという動きだ。(環境の大量破壊「エコサイド」が国際法で裁かれる日――下田屋毅の欧州CSR最前線)
平城宮跡の埋め立ては、甚大な「エコサイド」であるのだが、あまりマスコミは取り上げないという。なんとか工事を中断させる手はないのだろうか。(オルタナ編集長 森 摂)