再エネ設備の供給網を多様化する国際的枠組み「RISE」とは

記事のポイント


  1. 再エネ設備の供給網は中国への依存割合が大きい
  2. 経済安全保障やESGの観点で懸念材料となっている
  3. そこで、世銀と日本政府は供給網を多様化する国際枠組みを立ち上げた

2023年10月、世界銀行と日本政府はRISE(Resilient and Inclusive Supply-chain Enhancement=強靭で包摂的なサプライチェーンの強化)と呼ばれる国際的枠組みを立ち上げた。新興国・開発途上国に対して資金・技術の提供を行うことで、再生可能エネルギー関連設備のサプライチェーンを多様化して、環境対策と雇用創出の両立を目指す。(新語ウォッチャー=もり ひろし)

現状、再エネ設備の供給網は上流工程(鉱物の採掘など)こそある程度は分散するが、中流工程(鉱物の精練など)や下流工程(太陽光パネルのような装置の製造など)で中国の存在が大きい。経済安全保障やESG(特に人権)の観点で懸念材料となっている。

日本政府は名指しこそ避けるものの「特定国に過度に依存するクリーンエネルギー製品について(中略)供給網多様化を推進」する方針も示した(インフラシステム海外展開戦略2025から)。

RISEに当初参加するのは日本、カナダ、イタリア、韓国、イギリスの5カ国。初期に4000万ドル(日本は2500万ドル)の拠出を予定しており、他国の参加も呼びかけている。

morihiroshi

もり ひろし(新語ウォッチャー)

新語ウォッチャー。国語辞典の新項目執筆を中心に活動。代表的な連載に「現代用語の基礎知識」の流行観測欄(2010年版~)など。執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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