生分解性有機廃棄物用ゴミ袋、ドイツで認可(BASF)

独ルートヴィッヒスハーフェン市の公共事業部(Wirtschaftsbetrieb Ludwigshafen-WBL)は、廃棄物管理業者であり有機物堆肥化工場を運営しているGML-Abfallwirtschaftsgesellschaft(アプファルヴィルツシャフトゲゼルシャフト)社の協力を得て、ルートヴィッヒスハーフェン市で使われる有機廃棄物用ゴミ容器に、BASFの生分解性樹脂であるecovio(R)FS(エコバイオFS)を利用したゴミ袋の使用を許可しました。WBLが推奨するのは、エコバイオのゴミ袋です。このゴミ袋は花の形をしたエコバイオのロゴと、多数の小さな芽生えのシンボルが目印です。

◆有機廃棄物の収集をより衛生的に

エコバイオを使用した有機廃棄物用ゴミ袋は、有機廃棄物の収集と処理をより清潔に、そしてより簡単かつ衛生的に行うことを可能にします。不快な臭いや害虫の侵入も防ぎます。環境団体であるbifa Umweltinstitut GmbH(ビーファ ウムヴェルトインスティトゥート有限会社)の最新の報告書により、改めて衛生面での利点が実証されました。有機廃棄物を収集するためのゴミ容器を洗浄するような面倒な仕事は、不要になります。このゴミ袋はすぐれた耐水性を持ち合わせており、ティーバッグや果物の食べ残しから出る水分が漏れ出ることはなく、袋が破れることはありません。このゴミ袋は家庭用生ごみ処理機には適しておりませんが、堆肥化処理施設であれば、完全に分解する条件を満たしています。

◆試験プロジェクトの成功および、その他の公的認可

ドイツのグルンシュタットにある有機物堆肥化工場でBASFが行った包括的な実験により、2009年末、このエコバイオを使用したゴミ袋は処理時間の短い堆肥化処理設備に適していることが立証されました。ルートヴィッヒスハーフェンにあるBASFの生分解性樹脂事業グローバル・ビジネス部門のトップであるユルゲン・ケックは次のように説明しています。「実験中にテストしたプラスチック製の袋のなかで、エコバイオを使用したゴミ袋のみが完全かつ迅速に分解されました。」IBK-Solutions 社のゲオルグ・コーサは次のように付け加えています。「回収した有機廃棄物を分析したところ、エコバイオのゴミ袋は有機廃棄物の収集に何の問題もなく用いることができること、そして事前の試験を行えば、他の収集地域での導入も可能であり、別の堆肥化処理方式にも利用できることが示されました。」

BASFは、2011年、バート・デュルクハイム地区で約65,000の家庭に協力してもらい、生分解性樹脂であるエコバイオFSを使用した有機廃棄物用ゴミ袋の試験プロジェクトを行いました。また、2012年にはベルリンで約25,000の家庭において同様の試験プロジェクトを行い、どちらも良い結果が出ました。バート・デュルクハイムでは、聞き取り調査を行った住民のうち約90%が、ベルリンでも80%が、有機廃棄物の回収に使われたこのゴミ袋に満足していると回答しています。また、ライン=ファルツ地区、エネペ=ルール地区でもエコバイオの有機廃棄物用ゴミ袋の使用が認可されています。

◆生分解性樹脂でより多くのバイオマスを

エコバイオFSは一部植物由来のエコフレックスFSとポリ乳酸(PLA)でできた素材であるため、主に再生可能原料で構成された袋ということになります。生分解性の廃棄物同様にエコバイオのゴミ袋は、微生物とその酵素により完全に分解されます。このような分解を可能にするのは、もとの原材料ではなく、分子の構造です。堆肥化処理の最終段階では、微生物がゴミ袋を二酸化炭素、水、バイオマスへと完全に分解してしまいます。これは有機廃棄物の回収において決定的な利点です。廃棄物管理業者はゴミ袋を分別するという面倒な手間を省くことができ、そのまま残りの有機廃棄物とともに貴重な堆肥へと処理できるからです。このゴミ袋は通常のゴミ回収容器に捨てられる有機廃棄物の量を減らすことにもつながり、環境保護に貢献するとともに、残留廃棄物の処理コスト低減にも役立ちます。

袋に描かれている 芽生えのシンボルは、生分解性においてヨーロッパ規格であるEN13432を満たしていることを示しています。エコバイオ、エコフレックスそのものがこの厳しい要件を満たしていることは言うまでもありません。

◆2015年1月にはドイツ全国で有機廃棄物の分離が義務化

ドイツでは有機廃棄物管理に関し、重要な日が2つあります。ドイツ立法府の決定により、2013年1月初旬から、完全に生分解可能であり、主に再生可能原料でできたゴミ袋を、専用のゴミ回収容器に使用しても良いことになりました。さらに、ドイツのリサイクル法が改正され、2015年1月からドイツ全国で有機廃棄物を分別して収集することが義務づけられます。エコバイオを使用した有機廃棄物用ゴミ袋はこうした要件を満たすことができる、衛生的かつ清潔なソリューションです。完全に生分解可能なだけでなく、他の有機廃棄物用ゴミ袋と異なり、主に再生可能原料で構成されているからです。

◆ルートヴィッヒスハーフェンの店頭で販売中

ルートヴィッヒスハーフェンではすでに、10リットルのゴミ袋を小売店で販売しております。10袋入りが現在、2ユーロ以下です。販売店に関する情報は、www.ecovio.de/biobeutel(英語)でご覧いただけます。

■ 本件に関するお問い合わせ先
BASFジャパン株式会社
コーポレート・コミュニケーションズ本部
担当:藤本朋子/ 麦谷英理子
TEL: 03-3796-4879/4865   FAX: 03-3796-4111
メール:
tomoko.fujimoto●basf.com
eriko.mugitani●basf.com
(●を@に変えてお送りください)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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