第2回 東日本大震災の復興に関する調査(SRC自主調査003)

株式会社サーベイリサーチセンター(本社:東京都荒川区、代表取締役:藤澤士朗)は、東京大学総合防災情報研究センター(東京都文京区、センター長:田中 淳)との共同研究として、「第2回 東日本大震災の復興に関する調査」を実施しました。

この調査は、東日本大震災の被災住民を対象とした個別面接調査(傾聴面接)で、2012年4月に第1回として実施しており、同地域・同時期に実施する定点調査の第2回目となります。

今回の発表では、定量的な調査結果のみを速報値として発表いたします。定量的結果の詳細および定性的な調査結果については、引き続き分析を進めており、8月下旬ごろに発表予定です。

■調査の背景

本調査は、東日本大震災から1年が経過した昨年から、被災地の住民の方々における「復興」の実態について明らかにすることを目的として企画されました。昨年調査では、「復興」の意味するところは、被災地それぞれによって相違がみられ、それに対応した政策推進も異なるものであることが明らかとなりました。

震災の発生から2年が経過した現在でも、「復興が進まない」という報道が多くみられるところですが、継続調査となる今年度の調査では、被災地の住民の方々にどのような心理的・環境的変化がみられるのかを明らかにすることを目的として実施しました。

■調査の概要
・調査地域:宮城県気仙沼市、女川町、亘理町、福島県南相馬市
・調査対象:調査地域に居住する20歳以上の男女個人
・調査方法:訪問面接法(傾聴面接)
・調査内容:現在の暮らしむき・考え/付き合いの変化/家計の状況/
自宅再建の課題・重視点 など
・有効回答:453サンプル
・調査期間:平成25年4月20日(土)~23日(火)

1.「傾聴」とはカウンセリング用語であり、来談者中心療法においてカウンセラーの基本的な態度として重要とされています。従来の面接調査法では、画一的・統一的アプローチが基本とされていますが、傾聴面接調査においては、回答者の「生の声」に耳を傾け、従来手法では見過ごされてしまいがちな情報まで把握しようとするものとして、SRC・CIDIRが手法の開発を進めています。2.「第1回 東日本大震災の復興に関する調査」の結果については、当社ホームページでご覧いただけます。

■調査結果の概要

▼分断される家族
震災以後に、3世代家族から夫婦世帯や核家族、もしくは単身世帯へと家族の姿は変化している。震災2年後の状況も、1年後の様子をとらえた昨年状況と大きく変わっていない。仮設住宅の構造による制約に加えて、仕事や放射線の問題も影響していると考えられる。

具体的には、一人暮らしの割合が震災前の10%から21%へ、2人家族が28%から39%へと大きく増え、逆に震災前には28%を占めていた5人以上の世帯は11%と半分以下になっている。平均でみると震災前には3.5人だった同居家族数は震災後には2.6人と1人減っていることになる。また、自分の子どもと同居している割合は震災前の54%から38%へと、また孫と同居している人の割合も19%から7%へと減少している。

昨年との比較では、同居家族数は大きく変わっていないが、付き合いは減ったと感じている人が、昨年の24%から34%へと増えている。震災直後には活発だった家族・親族付き合いが、ここにきて若干低下している恐れがある。これは、地域の付き合いが増えたと感じている人が1年目の12%と比べて2年目には21%と増加しており、地域の付き合いが活発化しているように見えることと対照的である。

▼生活は落ち着きをみせたが、続く将来不安
生活が「落ち着いてきた」と感じている人は23%、「少し落ち着いてきた」と感じている人は49%と、合わせると7割以上が2年たって落ち着きを感じている。実際に、6割以上の人が、「少しずつ前向きになっている」(64%)、「周囲に笑顔が増えてきている」(61%)と感じるようになっている。

その一方で、「生活にハリがない」(43%)、「気持ちばかりがはやる」(36%)、「頑張ることに疲れる」(34%)と感じる人も少なくない。また、地震から2年たった現在、「将来どこに住むか」をいつも考えている人が53%(1年前は44%)、よく考えている人が21%(1年前は24%)、「商売・仕事・収入など経済的なこと」をいつも考えている人が33%(1年前には22%)、よく考える人が16%(1年前は22%)と、将来不安は依然として改善されていない。

実際に、震災前と比べて家計が「非常に苦しくなった」人は21%、「少し苦しくなった」人は23%と、昨年と比べて減少しているものの、4割を超えている。むしろ、非常に苦しくなったとする人は若干ながら増加しており、昨年よりも経済環境が悪化した被災者が現れている。

「心配事があってよく眠れない」(36%)や「気が重くて憂鬱になることがある」(36%)といった精神的ストレスを示す人の割合も1年前と比べて若干悪化している。これらの結果から、被災者を取り巻く環境が全体的には落ち着きを見せる一方で、長引く避難生活に家計の悪化、先の見えない復興といった課題に大きな変化はなく、被災者は、これらを背景としたストレスを、それぞれの生活の中で依然として感じていると考えられる。

▼再建資金と復興計画の遅れ
自宅を再建する上で感じている問題として、56%が再建資金を、51%が行政の復興計画の遅れをあげている。これらの制約条件以前に、年齢や元の場所に戻れないことも4割の人があげている。

再建をする上で重視する点は、津波から安全であることを最も多い69%が非常に重視すると回答している。被災者の多くは、1年前と同水準で、津波に対する防災対策を極めて重視している。

このほか医療機関や福祉施設、店舗といった施設があげられ、生活上の不可欠な機能として重視されている。また、知り合いの存在という、地域社会の再建をあげる人も少なくない。

■添付資料
調査結果の概要: http://www.atpress.ne.jp/releases/36719/a_5.pdf

■サーベイリサーチセンター会社概要
・会社名 : 株式会社サーベイリサーチセンター
・所在地 : 東京都荒川区西日暮里2丁目40番10号
・設立  : 1975(昭和50)年2月
・資本金 : 6,000万円
・年商  : 54億円(平成24年度)
・代表者 : 代表取締役 藤澤 士朗
・社員数 : 社員178名、契約社員146名 合計324名(平成25年6月1日現在)
・事業所 : 東京(本社)、大阪他全国9ヶ所
・所属団体: 公益財団法人日本世論調査協会
一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)
日本災害情報学会
日本災害復興学会 など
・その他 : ISO9001認証を取得(2000年6月)
プライバシーマークの付与認定(2000年12月)
ISO20252認証を取得(2010年10月)
・URL   : http://www.surece.co.jp

■東京大学総合防災情報研究センター組織概要
・組織名 : 東京大学 大学院情報学環 総合防災情報研究センター(CIDIR)
・所在地 : 東京都文京区本郷7丁目3番1号
・設立  : 2008(平成20)年4月
・代表者 : センター長・教授 田中 淳
・URL   : http://cidir.iii.u-tokyo.ac.jp/

●調査結果の内容については無断転載・複製を禁じます。
本文を引用される場合は出典が「サーベイリサーチセンターおよび東京大学総
合防災情報研究センター」であることを明記してください。
●報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。

■本件に関するお問合せ先
株式会社サーベイリサーチセンター
社会情報部 村木 宏壽( muraki_h●surece.co.jp )
向井 直子( mukai_n●surece.co.jp )
TEL:03-5289-7171
FAX:03-5289-7015

東京大学 大学院情報学環 総合防災情報研究センター(CIDIR)
センター長 田中 淳、小林 秀行( cidir●iii.u-tokyo.ac.jp )
TEL:03-5841-5924
FAX:03-5841-0379

(E-mailを送る際は、●を@に変えてお問い合わせください)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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