日本こそEV化を推進すべき3つの理由(2):エネルギー

記事のポイント


  1. 筆者は日本こそ「EV化」を推進していくべきだと考える
  2. 大きく分けて理由は3つあるが、今回は「エネルギー」の側面から説明する
  3. ガソリン車の原料である原油は海外情勢に左右される不安定なエネルギー源だ

ガソリン車の燃料はもちろんガソリンだ。ガソリンの原料は原油。そして日本はその原油のほぼ100%を海外から輸入している。これが日本の大きな弱点だ。もし海外で何かあったら、原油の輸入が止まるかもしれない。そうでなくても、原油は海外情勢に左右される不安定なエネルギー源だ。そして原油価格も上がっている。(オルタナ客員論説委員/技術士=財部 明郎)

日本の場合、火力発電の燃料は石炭と天然ガスであり、ほとんど石油は使われていない。石油の主な用途は自動車や船、航空機といった交通機関だ。ほかにプラスチックなどの化学製品にも使われるが、これはエネルギー源としての使用ではない。

だから、日本はこの機会に自動車も電気、つまりEVに変えて、石油依存を減らしたらどうかということである。

分かりやすい例で言えば、近年ガソリンの価格が上昇している。これだけとっても、ガソリンを使わないで済むEVを日本で普及させる理由のひとつになるだろう。

石油は確かに便利なエネルギー源ではあるが、大きく3つの問題がある。ひとつは21世紀になってから価格が大幅に上昇していること。つぎに価格が乱高下して安定しないこと。さらに日本が輸入する国が中東に偏っていることだ。

下の図は1970年代から現在に至るまでの原油価格の推移を示したものだ。

今日の石油産業2023年版から
takarabeakira

財部 明郎(オルタナ客員論説委員/技術士)

オルタナ客員論説委員。ブロガー(「世界は化学であふれている」公開中)。1953年福岡県生れ。78年九州大学大学院工学研究科応用化学専攻修了。同年三菱石油(現ENEOS)入社。以降、本社、製油所、研究所、グループ内技術調査会社等を経て2019年退職。技術士(化学部門)、中小企業診断士。ブログでは、エネルギー、自動車、プラスチック、食品などを対象に、化学や技術の目から見たコラムを執筆中、石油産業誌に『明日のエコより今日のエコ』連載中

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キーワード: #脱炭素

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