アニマルウェルフェアアワード2024に味の素など

記事のポイント


  1. アニマルウェルフェア(動物福祉)を強化する企業が相次ぐ
  2. 支援団体が各企業の取り組みを表彰するアワードを開いた
  3. 味の素やマルハニチロ、マザーズが評価された

NPO法人アニマルライツセンターが国内のアニマルウェルフェアにとって効果的だった企業を表彰する「アニマルウェルフェアアワード」の2024年度の受賞企業が決まった。今年は味の素など3社が強いインパクトをもたらしたと評価された。受賞企業を紹介する。(NPO法人アニマルライツセンター代表理事/オルタナ客員論説委員=岡田 千尋)

アニマルウェルフェアの広がりに貢献した企業を表彰する

採卵鶏:鶏賞 味の素

2016年に企業のエシカル通信簿を通して、畜産動物のアニマルウェルフェアの問題を把握してから間もなく、専門家を集めたラウンドテーブルを行い、調達ポリシーを策定し、畜産物のトレーサビリティを確認しその結果の公表を行った。

さらに取り組みを継続し、2023年、鶏卵の調達に関する考え方を公表し、同年中に平飼い卵のマヨネーズを販売開始した。アニマルウェルフェアを軽視せず着実に歩みを進める姿勢を高く評価した。

採卵鶏:鶏賞 白老たまごの里 マザーズ

マザーズは、鳥インフルエンザの大流行を経て、飼育するすべての鶏を平飼い飼育に切り替えることを決めた。もともと3棟あったうちの1棟は平飼いだったが、他の2棟も平飼い(エイビアリー)になり、2024年、約4万羽の鶏がケージから解放される。

鶏と人間との関係を見直し、いち早く、すべての鶏舎を切り替えることを決意したことを評価した。

養殖魚:魚賞 マルハニチロ

2023年度、マルハニチロは急速にアニマルウェルフェアへの取り組みを開始し、取組状況の公開を行った。特に飼育密度を10%低下させる取り組みは、今後の水畜産のアニマルウェルフェアの取り組みに対して良い効果を発揮するものと考えられる。

すでに行っていた取り組みを含めて情報を公開し、社会的な企業価値を高めたことを評価した。

アニマルウェルフェア、次は具体的な目標設定を

多くの大手、中堅企業がアニマルウェルフェアの調達ポリシーを持ち、生産部門を持つ食肉企業はアニマルウェルフェアに配慮するための自社ガイドラインを持つようになった。

3年前では考えられない大きな変化が起きている。もちろん、変化はあれど、課題は解決していない。

動物たちの飼育自体にその影響がまだ起きていないのが現状だ。次は動物にしっかり恩恵を及ぼすための目標の設定が求められている。

2024年度こそは、そのような国際社会で認められる大きな一歩を踏み出す企業が出ることを期待する。

最後に、アニマルウェルフェアを上げることを検討し、行動をしてくれたすべての企業に感謝を述べたい。

chihirookada

岡田 千尋(NPO法人アニマルライツセンター代表理事/オルタナ客員論説委員)

NPO法人アニマルライツセンター代表理事・日本エシカル推進協議会理事。2001年からアニマルライツセンターで調査、戦略立案などを担い、2003年から代表理事を務める。主に畜産動物のアニマルウェルフェア向上や動物性の食品や動物性の衣類素材の削減、ヴィーガンやエシカル消費の普及に取り組んでいる。【連載】アニマルウェルフェアのリスクとチャンス

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..