温室効果ガス、2022年度の国内排出量は「過去最少」に

記事のポイント


  1. 2022年度の国内の温室効果ガス(GHG)排出量は「過去最少」を記録した
  2. 環境省は主な要因を、産業部門や家庭部門などの節電や省エネ努力と指摘した
  3. 代替フロンなど4ガス(HFCs・PFCs・SF6・NF3)排出量も09年以降初の減少

環境省は4月12日、2022年度の国内の温室効果ガス(GHG)排出量を公表した。約11億3500万トンで、「過去最少」を記録した。代替フロンなど4ガス(HFCs・PFCs・SF6・NF3)の排出量は約5170万トンで、2009年以降初めて減少した。(オルタナ副編集長=池田 真隆)

2022年度のGHG排出量・吸収量はCO2換算で約10億8,500万トン 出典:環境省

2022年度の国内GHG排出量は、約11億3500万トンだった。2021年度比で2.5%の減少、2013年度比で19.3%の減少となった。環境省では、排出量が減った主な要因について、産業部門や家庭部門などの節電や省エネ努力を挙げた。

代替フロンなど4ガス(HFCs・PFCs・SF6・NF3)の排出量は約5170万トン(二酸化炭素換算)で、2021年比で1.4%の減少となった。4ガスについては、2009年以降初めての減少だった。

オゾン層保護法に基づく生産量・消費量の規制、フロン排出抑制法に基づき、地球温暖化係数が低い冷媒への転換が進んだことが主な要因だ。機器使用時・廃棄時の排出対策などの効果もある。

森林などの吸収量は約5020万トンで、2021年度比6.4%の減少となった。吸収量の減少については、人工林の高齢化による成長の鈍化などが主な要因とした。

今回、世界で初めて、「ブルーカーボン」生態系の一つである「海草藻場」「海藻藻場」における吸収量を合わせて算定し、合計約35万トンを報告した。今後は塩性湿地・干潟の算定についても検討を進める予定だ。


 

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #脱炭素

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