記事のポイント
- 国際研究機関は世界各国のSDGsの達成状況についてレポートをまとめた
- 日本は全体順位こそ上げたが、「ジェンダー平等」などで最低評価に
- 特に「賃金格差」や「女性議員比率」は最重要課題だ
国際研究機関のSDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)は6月17日、世界各国のSDGsの達成状況をまとめたレポートの最新版を公表した。日本は全体順位では昨年の21位から順位を上げて18位だったが、「ジェンダー平等」などで「最低」評価だった。ジェンダー平等のなかでも、特に「賃金格差」や「女性議員比率」は最重要課題だ。(オルタナ編集部=萩原 哲郎)
SDSNがこのほど発表したレポートは167カ国のSDGsの達成状況を比較した。2016年から毎年発行しており、レポートの編集には100を超える世界の科学者や専門家が携わる。
日本のSDGs達成状況は167カ国中18位となり、昨年(21位)と比べて順位を上げた。G7では独、仏、英に続き4番手、アジアでは最高順位だった。
一方で、SDGsの各目標の評価を見ると、日本が抱える課題の改善は進まなかった。SDGsの5番目の目標の「ジェンダー平等」では、4段階の評価のなかで最低評価の「最重要課題」と指摘された。
そのなかでも特に低評価となったのが、「賃金格差」や「女性議員比率」だ。「賃金格差」では男性の賃金中央値と女性の賃金中央値は21.35%の差が開いた。「女性議員比率」はアジア地域のなかで、最も低い値となった。
「ジェンダー平等」のほかにも、「つくる責任つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「持続可能な森林の経営」が最低評価だった。「乱獲や破壊行為による漁獲」や「絶滅危惧種の保存」は悪化傾向となった。