人口増加に対し企業も果たせる役割が【アジアCSR最前線】

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リチャード・ウェルフォード(CSR Asia 会長)

人口増加とアジアにおける女性やマイノリティ差別への関心を高めるために、「アジア人口協会」の会議が2012年8月末、バンコクで開催された。

1999年には世界人口は60 億人に達したが、そのたった12年後の2011年には、人口は70億人を超えた。もはや世界人口は持続不可能なレベルに達したのだ。

人口は開発途上国で最も急増しており、世界の若年層(15歳から24歳)の人口増加の中心も開発途上国だ。

CSRの観点からすれば、地球環境と人口増加との関連だけでなく、天然資源の使用や濫用、気候変動との関係もよく語られる。人口増加という地球規模の大きな問題に関して、企業も果たせる役割があるだろう。

多くの先進国で出生率が低下していても、世界の人口は急増している。過去20年間の開発途上国の人口急増の結果、若年人口が急増した。

世界の若年層のうち12億人は開発途上国が抱えている。10人中8人の若者はアフリカとアジアにいて、今まで通りの傾向が続けば、今後数十年で、こうした若者は、教育を受ける機会や就職先を求めて地方から都市に移るだろう。

20世紀には人口増加の90%は後発開発途上国(LDCs) で起こり、アフリカのすべての国とアジア諸国(日本を除く)、中南米、カリブ海沿岸国、オセアニア(オーストラリアとニュージーランドを除く)であった。

これは公衆衛生や医療が広く普及した結果、LDCsでの死亡率が今までになく低下したことに起因する。今後2050年までの間では実質上すべての人口増加はLDCsで起こることになる。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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