クリーン技術の促進、日本は世界で12位

WWF報道資料)
グローバル・クリーンテック・インデックス2014発表
クリーン技術促進について、日本は40カ国中12位

6月26日、民間のクリーン技術調査会社Cleantech Group とWWFインターナショナルは、クリーン技術の促進に関して各国をランキングした報告書『Global Cleantech Innovation Index 2014』(グローバル・クリーンテック・イノベーション・インデックス2014)を発表しました。

気候変動問題への取り組みに当たっては、クリーンテック(クリーン技術)(*1)の役割が重要であることは言うまでもありません。同報告書によると、クリーンテックをもつ企業が起業し、技術をビジネスに結びつけていく環境について、第1位イスラエル、第2位フィンランド、第3位アメリカ合衆国が、最も優れた環境を提供しています。

日本は、調査対象となった40カ国の中では、第12位であり、環境技術先進国という掛け声とは裏腹に、クリーンテックの醸成環境という観点からは、「中の上」に留まることが明らかになりました。

グローバル・クリーンテック・インデックス2014では、調査対象となっている40カ国について、「クリーンテックの促進要因」(イノベーションへのインプット)と「実際にどれくらいのクリーンテックが生み出され、商業化に至っているか」(イノベーションのアウトプット)に関する15の統計を指数化(インデックス化)し、統合して、ランキングしています。

日本が「中の上」に留まった背景としては、日本は環境関連特許数や公的な研究開発費では高い成績を上げている反面、起業家を支える文化や、商業化についての環境が乏しいことが全体のスコアを押し下げることにつながりました。

政策の観点からは、特に、開発されたクリーンテックが実際に使われる「需要」の面において弱い点が注目されます。これは、ベンチャーキャピタルなど、新しい技術への投資・買収などが少ないという民間資金へのアクセス面が弱いだけでなく、再生可能エネルギーの割合が全体エネルギー消費の中で低いために、技術への需要自体も低いと評価されているからです。

日本が真の意味でクリーンテック先進国になっていくためには、新興企業にとっての環境をより整備し、かつ、そこで開発される技術が市場で必要とされる環境を整えていくことが不可欠です。

*1: 本報告書でいうクリーンテックには、再生可能エネルギーやエネルギー効率改善の技術を中心としつつも、運輸、スマートグリッド、リサイクル、新素材等を含む広い分野を含む一連の技術をさしており、気候変動問題の解決に直接的に役に立つ(温室効果ガス排出量の削減につながる)技術分野だけではなく、より広い範囲が含まれています。ただし、化石燃料および原子力分野は除かれています。

日本語要約版:http://goo.gl/4Sci9F

Global Cleantech Innovation Index 2014(グローバル・クリーンテック・イノベーション・インデックス 2014本体報告書)
http://awsassets.panda.org/downloads/cleantechrepsm.pdf

◎お問い合わせ先
WWFジャパン 気候変動・エネルギーグループ 
Tel: 03-3769-3509 / Fax: 03-3769-1717 /Email: climatechange(a)wwf.or.jp

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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