ユニセフなどは4月、「金融機関のための児童労働対策ガイド」を発行した。人権対応における金融機関の役割の重要性はこれまでも指摘されてきており、OECDも2020年に「責任ある企業融資と証券引受のためのDDガイダンス」を発行した。
日本でも3大メガバンクが22、23年に相次ぎ、人権レポートを発行し、融資審査でサプライチェーンの人権対応を考慮する方針を出した。
金融機関の人権対応は、実務の実効性が課題だ。今回のユニセフなどのガイドも、欧米金融機関の実務課題を踏まえた具体的アドバイスを目的とする。
同ガイドは具体例として、投資先との対話を挙げた。「児童労働を1件も容認しない方針を持っているか」という質問は有効ではないとし、「児童労働は過去にいつ発生し、どのように対応したか」などの聞き方が適切であるとした。
児童労働そのものだけではなく、児童労働の誘発原因となる「親の賃金の低さ」などの指標も含めてリスクを測るべきであることを指摘した。