記事のポイント
- 2022年の国内フェアトレード認証製品の推計市場規模を195.6億円だった
- 2021年の157.8億円と比較すると24%増で、過去10年で最大の伸び率だった
- SDGsの認知拡大と企業がサステナ戦略に力を入れ出したことが背景に
フェアトレードの普及・啓発活動を行う認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは4月26日、2022年の国内フェアトレード認証製品の推計市場規模を195.6億円だったと発表した。2021年の157.8億円と比較すると24%増で、過去10年で最大の伸び率だった。SDGsの認知拡大と企業が人権配慮などサステナビリティ戦略に力を入れ出したことが背景にある。(オルタナS編集長=池田 真隆)
フェアトレード・ラベル・ジャパンは、2022年の国内フェアトレード認証製品の市場規模を195.6億円と推計した。前年比24%増(38億円増)で、これまでの10年間で最大の伸び率だ。
フェアトレードコーヒーやコットン雑貨の売り上げが拡大したことが主な要因だ。フェアトレードコーヒー市場は前年比122%で、フェアトレードコットン市場は前年比199%だった。
紅茶(前年比236%)やバナナ(前年比142%)、カカオ(前年比110%)も好調な伸び率を記録した。
この背景には、SDGsの認知度向上、人権配慮に取り組む企業が増えてきたことがある。小売大手は相次いでサステナビリティ戦略に力を入れ、プライベートブランドなどでフェアトレード商品化を進めた。製品の背景に関心を持つ消費者が増えてきたこともこうした企業を後押した。
■日本はドイツの17分の一
日本の市場は広がってきたが、欧州や米国と比べると依然として差は大きい。欧米諸国の消費者は環境・社会課題に対する意識が高く、企業が積極的にフェアトレードを取り入れる傾向がある。
国際フェアトレード認証を運用する、フェアトレード・インターナショナルが本部を置くドイツの市場規模(2021年)は2727億円だ。日本の約17倍に及ぶ。
フェアトレード製品の一人当たりの年間購入額についても日本は126円(2021年)だが、最も多いスイスは1万2765円だった。
フェアトレード・ラベル・ジャパンは5月1日から31日まで、フェアトレードの啓発を狙った「ミリオンアクションキャンペーン2023」を行う。5月のフェアトレード月間に合わせて開く。
キャンペーン期間中、対象となるフェアトレード商品の購入やSNS投稿数、イベント参加数などに応じて、途上国の生産者組合に寄付する。
キャンペーンサイト:https://fairtrade-campaign.com/