水上 武彦(株式会社クレアン)
CSVとこれまでのCSR の違いは何か。端的に言えば、より具体的で打ち手に落としこめることだと思います。
CSVには、「製品・サービス」「バリューチェーン」「競争基盤/クラスター」の3つの基本アプローチがあります。
「製品・サービスのCSV」は、社会問題を解決するイノベーションで、新規事業開発と同様なプロセスで生み出されます。
自社の技術などの強みを棚卸し、対応すべき社会問題をリストアップし、組合せブレストによりアイデアを創発します。そして、アイデアを評価・スクリーニングし有望なものに絞り込み、外部ヒアリングなどを通じて実現性などを検証しつつ、ビジネスモデルを精査、アクションプラン化します。
残り2つのCSVにはいくつかの活動のモデルがあり、これらをチェックリストとして活用できます。
CSVのチェックリスト
「バリューチェーンのCSV」の8つの活動モデル
V ①エネルギー利用の効率化:工場、オフィス、物流など、バリューチェーン全体のエネルギー使用量を削減し、CO2排出を削減しつつ、コストを削減
V ②物流の効率化:輸送ルートの効率化、他企業との共同配送、梱包資材の軽量化などにより、CO2 排出を削減しつつ、コストを削減
V ③資源利用の効率化:水資源、各種原料などの効率利用、リサイクル、リユースなどにより、資源利用を効率化しつつ、コスト削減または新たな収益源獲得
V ④従業員の生産性向上:従業員の健康・安全確保、能力向上等の支援を通じ、従業員の生産性を向上
V ⑤サプライヤーの育成:サプライヤーを教育、技術支援などを通じ育成し、高品質な原材料の安定調達を実現。農業の発展、地域の発展などを支援
V ⑥サプライチェーンの短縮:グローバルに延びきったサプライチェーンを短く、簡素化し、CO2排出削減などを実施しつつ、サプライチェーンにかかわるリスク軽減、輸送コスト削減などを実現。地産地消による地域への貢献も可能