明治がマーブルチョコのパッケージをレインボーにした理由は

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記事のポイント


  1. 明治が2025年1月に「マーブルパウチ ダイバーシティパッケージ」を発売
  2. 社内のアライ発の取り組みで、パッケージをレインボーカラーにするのは3年目だ
  3. 看板商品のマーブルチョコを通じて、多様性が当たり前にある社会の実現を目指す

明治が2025年1月から「マーブルパウチ ダイバーシティパッケージ」を期間限定で販売している。社内有志のアライ(LGBTQの理解者・支援者)発の取り組みで、パッケージをレインボーカラーにするのは3年目だ。看板商品のマーブルチョコを通じて、多様性が当たり前にある社会の実現を目指す。(オルタナ副編集長=吉田広子)

2月12日には、明治Marbleとプライドハウス東京が「みんなでハッピーバレンタイン」を開いた
2月12日には、明治Marbleとプライドハウス東京が「みんなでハッピーバレンタイン」を開いた

明治社員有志によるアライネットワーク「Marble(マーブル)」は、「多様な人の気持ちに寄り添う商品を作りたい」「バレンタインを誰もがチョコレートを楽しむ日にしたい」という思いで、2022年から商品企画を進めた。

LGBTQに関する理解を深める活動を行う「プライドハウス東京」(東京・新宿)と連携し、オンライン座談会を実施するなど、当事者との対話を重ねた。

「商品開発にあたり意識したのは、当事者の気持ちに寄り添うこと。『きっと〜だろう』と決めつけるのではなく、慎重に向き合った」。こう話すのは、明治カカオマーケティング部の杉山詩織さんだ。

「気付いたのは、『特別扱い』を求めているわけではないということ。多様性が当たり前にある社会を望んでいるのだと実感した」(杉山さん)

明治は2023年1月に、第1弾として「明治ミルクチョコレートCUBIE Diversityパッケージ」を発売。その後、2024年1月には、レインボーカラーの特別パッケージを採用した「マーブルパウチ ダイバーシティパッケージ」を販売した。2025年も、この取り組みを継続している。

パッケージの底面には、「理想が日常になりますように。」というメッセージが込められている。

杉山さんは、「当社の看板商品であるマーブルチョコを通じて、社会が変わっていることを伝えたいという思いがあった。楽しく気軽に手に取ってもらい、LGBTQについて知るきっかけになれば」と語る。

2月15日には、新宿二丁目で「マーブルパウチ ダイバーシティパッケージ」を配布。多くの人が手に取った

明治は、LGBTQ支援イベントに商品を提供するなど、啓発活動にも協力している。公益社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に(東京・港)がバレンタインに合わせて、新宿二丁目で実施した街頭活動では、結婚の平等を訴えるフライヤーとともにマーブルチョコを配布した。

杉山さんは「メーカーとして、覚悟を持って始めた取り組み。認知を広げるためにも継続が大切だ。今後もさらに取り組みを強化していきたい」と意気込んだ。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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キーワード: #ビジネスと人権

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