「世界で最もサステナブルな企業100社」に入るには

記事のポイント


  1. カナダの投資調査会社は世界の上場企業を対象にESG格付けを行う
  2. 「世界で最もサステナブルな企業100社」と称し、毎年ダボス会議で公表する
  3. 「世界で最もサステナブルな企業100社」に選ばれた企業は何が違うのか

カナダの投資調査会社コーポレート・ナイツは売上高10億ドル以上の上場企業を対象にESGの観点で格付けを行う。同社は、「世界で最もサステナブルな企業100社(グローバル100)」と称して、毎年1月に開く「ダボス会議」に合わせて公表する。グローバル100に選ばれた企業は何が違うのか。(オルタナ副編集長=池田 真隆)

コーポレート・ナイツは、ESG観点でのパフォーマンスを調べ、サステナブルな取り組みを行う世界の100社を選んでいる。世界経済フォーラムが毎年1月に開く年次総会(ダボス会議)に合わせて公表するため、注目が集まる。今年で21回目を迎えた。

グローバル100の評価項目は、財務状況や製品の環境性、組織の多様性など多岐に渡る。公開情報をもとにコーポレート・ナイツが調べる。

2025年の1位に選ばれたのは、フランスの電気・産業機器メーカーのシュナイダーエレクトリックだ。日本企業では、エーザイ(35位)、リコー(51位)、シスメックス(98位)の3社が入った。

グローバル100に選ばれた企業は何が違うのか。血液検査機器大手のシスメックスは通算6度目で昨年の100位から98位にランクを上げた。

外部評価は「安心」の証明に

世界190の国と地域でビジネスを展開するシスメックスでは、企業理念の根幹にある価値観を「安心(anshin)」と定義している。製品やサービスの安全性確保をはじめ、ステークホルダーからの信頼獲得、人々の健康で豊かな暮らしの実現などだ。

製品やサービスの提供を通して「安心」を届ける上で、グローバル100など外部評価機関からの評価は、高い経営品質の証となっている。同社コーポレートコミュニケーション本部IR部の棚橋順一課長はこう話す。

社外評価からの要求事項は、投資家をはじめとする様々な世界のステークホルダーからの要請と捉え、継続的にギャップ分析を実施。経営層や社内への働きかけを行い、現場主導による改善を行ってきている。これらの取組みが評価された結果だと考えている。

また、同社の売上高の85%が海外であり、こうした外部評価機関からの評価は、グローバルでビジネスを行う上で信頼を高めることにも役立っていると話した。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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