脱プラ目指すイタリア発のステンレスボトル、日本展開へ

記事のポイント


  1. イタリアのステンレスボトルブランド「24BOTTLES」が国内展開へ
  2. 同ブランドはプラごみ問題解決のため、ボローニャで創業した
  3. ステンレスボトルを普及させ、年間2億本以上のペットボトル削減を目指す

キッチン・ダイニング用品を取り扱うワイ・ヨット(名古屋市)は5月21日から、イタリアのステンレスボトルブランド「24BOTTLES」の国内展開を始める。同ブランドはプラごみ問題の解決を目指して、2013年にボローニャで設立。企業や大学との連携を図り、ステンレスボトルの普及を通して年間2億本以上のペットボトル削減を目標に掲げる。(オルタナ副編集長・長濱慎)

ボトルに記された数字は、製品を1回使用するごとに削減できるCO2の量を示す

「24BOTTLES」というブランド名は「24時間、使い捨てプラスチックボトルを減らすためのデザインソリューションに取り組む」決意を込めたものだ。デザイン性や機能性と環境性を両立させた製品を送り出すことで、人々の行動や思考の変容を促す。

同ブランドの試算によると、主力商品の「アーバンボトル」(500ml)を1回使用するごとに、同サイズのペットボトル製造時に発生するCO2を0.08kg削減できるという。1本あたりの削減量は小さいが、普及を通して年間2億本のペットボトルを削減する目標を掲げる。

そのために重要なのが、ステークホルダーとの連携だ。欧州ではH&Mイタリア、ブルガリ、インターコス、DHLエクスプレス、アムステルダム大学などが24BOTTLESの製品を採用し、オフィスからペットボトルを削減するプロジェクトに取り組んだ。

併せて、アマゾンの熱帯雨林保護やインドの小規模農家を対象にした排泄物由来のバイオガス供給の支援、地元ボローニャでの中高生を対象にした環境教育などにも力を入れており、2020年には「Bコープ認証」を取得した。

24BOTTLESの製品は欧州、北米、豪州、中国など65ヵ国以上で販売。このほど日本でも本格展開となった。

日本では常温対応の「アーバンボトル」、保温・保冷性能を備えた「クライマボトル」、上蓋を外してカップとして使用できる「トラベルタンブラー」の3商品を展開。いずれも耐食性・耐候性に優れた18-8ステンレスを使用し、プラ部材についてはBPA 、BPS 、PES、 PFASフリーの設計を採用した。

日本正規代理店となったワイ・ヨットは、こう期待を寄せる。

「ワイ・ヨットは『新しいリビングスタイルの架け橋となる』を理念に掲げ、世界中から厳選したプロダクトを日本市場に届けている。この革新的なブランドを取り扱うことで、サステナブルなライフスタイルの普及に貢献していきたい」

24BOTTLESは、ディオールやフェンディなどのファッションブランドとのコラボレーション実績もあり、ワイ・ヨットを窓口にオリジナルボトルの製作も受け付ける。

S.Nagahama

長濱 慎(オルタナ副編集長)

都市ガス業界のPR誌で約10年、メイン記者として活動。2022年オルタナ編集部に。環境、エネルギー、人権、SDGsなど、取材ジャンルを広げてサステナブルな社会の実現に向けた情報発信を行う。プライベートでは日本の刑事司法に関心を持ち、冤罪事件の支援活動に取り組む。

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