「将来の成長機会」はESGではなく「ESD」で測ろう

記事のポイント


  1. 「社会課題を成長機会へ転換」という理念の実践には「壁」がある
  2. この壁を乗り越えるための新たな思考の枠組みとなるのが「ESD」だ
  3. 「将来の成長機会」などを予測するための新たな評価軸として注目が集まる

サステナ経営の重要性はすでに広く認識され、「社会課題を成長機会に転換」という理念も浸透しつつありますが、実践するには「壁」があります。そこで注目されるのが、エマージング(新興)、ストラテジック(戦略的)、ディスラプティブ(破壊的)の頭文字を合わせた「ESD」という考え方です。ESGの評価軸では測ることが難しいとされる「将来の成長機会」などを予測するための新たな評価軸です。(オルタナ編集委員/サステナビリティ経営研究家=遠藤直見)

社会課題を起点に、ビジネスモデルの変革やイノベーションの創出を目指す企業は増えてきましたが、実際に結びつけられている企業は限られます。その背景には複数の要因がありますが、その一つとして、技術革新の加速や地政学リスクの顕在化など、従来のESGの枠組みだけでは捉え切れない社会課題の存在があります。

これらを機会として戦略に統合し、実行に移す経営判断は容易ではありません。そこで注目される新たな思考の枠組みが「ESD」です。

ESGでは「将来の成長機会」を測れない
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遠藤 直見(オルタナ編集委員/サステナビリティ経営研究家)

遠藤 直見(オルタナ編集委員/サステナビリティ経営研究家)

東北大学理学部数学科卒。NECでソフトウェア開発、品質企画・推進部門を経て、CSR/サステナビリティ推進業務全般を担当。国際社会経済研究所(NECのシンクタンク系グループ企業)の主幹研究員としてサステナビリティ経営の調査・研究に従事。現在はフリーランスのサステナビリティ経営研究家として「日本企業の持続可能な経営のあるべき姿」についての調査・研究に従事。オルタナ編集委員

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