コロンビア、COP28に基づく化石燃料廃止会議を26年開催へ

記事のポイント


  1. コロンビアが2026年4月に化石燃料段階的廃止に関する世界初の国際会議を開く
  2. COP28の脱炭素合意を具現化するグローバルサウス主導の歴史的な気候変動対策会議に
  3. 企業のエネルギー転換戦略とサステナビリティ投資に影響を与える可能性も

コロンビア政府は9月24日、化石燃料の段階的廃止に関する世界初の国際会議を2026年4月に開催すると発表した。石炭、石油、天然ガスからの脱却に向けた各国協力のグローバルプラットフォームの提供を目的とする。本会議は、2023年の国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)で合意した化石燃料からの脱却を、グローバルサウス主導で具現化する動きとして期待される。(山口 勉)

コロンビア政府は2026年4月に、
化石燃料の段階的廃止に向けた初の国際会議を開催する

今回の発表は、国連ハイレベルウィーク中の9月24日に国連本部で開催された気候サミットで、コロンビアとバヌアツ両国の大臣による記者会見を通じて行われた。

コロンビアのイレーネ・ベレス環境・持続可能開発大臣は声明で、「この歴史的な会合は、グローバルサウスがエネルギーシステムの変革を主導し、気候変動と正義という複雑に絡み合った危機に対処する上で、極めて重要な瞬間になるだろう」と語り、化石燃料を脱却した未来の構築への決意を示した。

バヌアツのラルフ・レゲンバヌ気候大臣は、「化石燃料からの脱却は、バヌアツやその他小島嶼国にとって、単なる環境問題ではなく、存在に関わる課題」であり、コロンビアが提案する会議が、その実現に向けた共通のロードマップ策定への「極めて重要な一歩になる」、と支持を表明した。

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会議の開催を決定したのは、化石燃料拡散防止条約の策定に向けた議論に参加している17カ国だ。コロンビア、バヌアツ、パキスタンのほか、ツバル、トンガなど小島嶼国がメンバーとして名を連ねる。

同条約イニシアチブのツェポラ・バーマン議長は、コロンビアの取り組みを「気候変動におけるリーダーシップに向けた大胆かつ必要な一歩」だと評価する。

会議の詳細は今年11月にブラジル・ベレンで開催されるCOP30で発表予定だ。

今回の会議は、グローバルサウスがリーダーシップを示す形で、パリ協定の目標達成に向けた国際協力の新たな枠組みを提供する点で歴史的意義を持つ。

企業のサステナビリティ戦略にも影響を与える可能性がある。化石燃料に依存したビジネスモデルは、投資家や消費者から敬遠されるリスクが高まり、再生可能エネルギーへの転換が競争力を高めるためだ。

なお、PPCA(脱石炭連盟)や化石燃料不拡散条約イニシアチブに日本政府は参加しておらず、国際的な脱化石燃料の動きから取り残される懸念がある。

大手IT企業や制作会社で販促・ウェブマーケティングに携わった後独立。2008年から3年間自転車活用を推進するNPO法人グリーンペダル(現在は解散)で事務局長/理事を務める。米国留学中に写真を学びフォトグラファーとしても活動する。 執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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