記事のポイント
- 地域の廃棄物を素材としたアート展が11月から全国20カ所で開催される
 - 廃棄物アートを手がけるACTA+と、オリックス・ホテルマネジメントが協働する
 - 旅先の地域を探索するひとつの扉へつなげる狙いだ
 
11月1日からの1カ月間、廃棄物を素材としたアートを手がけるACTA PLUS(アクタプラス、以下「ACTA+」、山口県周南市)とオリックス・ホテルマネジメント(東京・港)は協働でアート展を開催する。本プロジェクトはオリックス・ホテルマネジメントの運営する全国20施設を会場に、21人のアーティストが参加するもの。地域の様々な廃棄物をアート作品へ昇華することで、旅先の地域を探索するひとつの扉へつなげる狙いだ。(エシカルライター=宮野かがり)

オリックス・ホテルマネジメントは2024年からサステナブルな観光を目指す「つなぐはぐくむツーリズム」を、運営する全20施設で実施している。今年は廃棄物からアートを生み出す ACTA+と協働しSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に焦点を当て、11月1日からの1カ月間アート作品の展示を行う。
畳端材や博多織の端切れなど、本来ならば廃棄となる地域産業や工芸由来の素材を21人のアーティストがアート作品へと昇華させる。本プロジェクトは、昨年夏頃から両社による構想がスタートした。
ACTA+の橋本季和子代表は、「各施設で数人のチームを組み、地域の産業や工芸について知るところから始めました。次にプロジェクトに活用可能な素材のリサーチを進め、素材をご提供頂く候補となる地域の事業者へアプローチを行いました」と、この工程に数カ月の時間を要したことを明かした。
通常はホテルのフロント業務や接客などを担い、初めて企画に携わったメンバーがチームの大半を占めていたことから「プロジェクトを通じ、自身が働く地域について深く掘り下げ知るきっかけとなった」と多くの声が寄せられたと語る。
これはサーキュラーエコノミーの枠組みを超え、サステナブルツーリズムや地域創生のキーワードでもあるシビック・プライド(市民としての誇り)を育む実践的な取り組みと言える。アートを通じ、旅先の地域を探索するひとつの扉が開かれることを期待したい。




