王子HD、紙コップを布製品にアップサイクル: 新たな紙糸素材を開発

記事のポイント


  1. 王子HDが使用済み紙コップを布製品にアップサイクルする取り組みを開始した
  2. 紙コップは古紙回収に出せない禁忌品として、大部分が焼却処分されてきた
  3. 同社は紙コップのリサイクル拡大を通じ、資源循環型社会の実現を目指す

製紙大手の王子ホールディングスがこのほど、王子エフテックス(東京・中央)、王子ファイバー(東京・中央)と連携し、使用済み紙コップを布製品にアップサイクルする取り組みを開始した。紙コップは一般的に耐水加工が施されており、古紙回収できない禁忌品として多くが焼却処分されてきた。(オルタナ編集部・川原莉奈)

布製品にアップサイクル

近年、サーキュラーエコノミーへの関心の高まりを背景に、使用済み製品を再び原材料として利用する、持続的なマテリアルリサイクルの重要性が高まっている。

紙コップに関しても、多くが焼却処分されてきたことから、再利用技術の開発が求められていた。

今回の取り組みでは、王子グループの再生技術を活用することで、紙コップの繊維分(パルプ)を原料に使った新たな紙糸素材「OJO⁺PC」(オージョ)を開発した。

王子エフテックスが使用済み紙コップを紙糸原紙にリサイクルし、王子ファイバーが撚糸(ねんし)することで紙糸「OJO⁺PC」に再生する。さらには「OJO⁺PC」を使用した布製品にアップサイクルすることで、高付加価値化を実現する。

紙糸「OJO⁺PC」

王子グループは2022年から、外食、宿泊、建設、流通など幅広い業界と連携し、紙コップのリサイクルを推進してきた。2025年9月には新ブランド「Renewa(リニューワ)」を立ち上げ、再資源化の取り組みを強化している。

同社は今後も、資源の循環利用や環境配慮型素材の開発を通じ、持続可能な社会の実現を目指す構えだ。

kawahara

川原莉奈 (オルタナ編集部)

早稲田大学理工学部卒業後、大手自動車関連メーカーで7年間勤務。その後、「全く異なる世界を見てみたい」との思いからフリーランスに転身。ファッション・ライフスタイル系のWebメディアでデスク、エディター、ライターを務める。2023年からは、並行してNPO法人にてWebデザインや広報を担当し、社会課題への関心を深める。ライターとしてのモットーは「複雑なテーマを整理し、シンプルに伝えること」。

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