参加者は企業のCSR担当者3分の1、そのほかのビジネスパーソンが3分の1、NPOや学生さんが3分の1という構成でした。とてもダイバーシティ(多様性)に優れた構成で、ふだんはあまり話す機会がない人たち同士が、真剣に意見を出し合いました。

最後は、6つのグループが全体発表をして、さらに意見を出し合っていきます。「週1回は冷蔵庫を点検する」「そのために食品を冷蔵庫内POS管理する」「賞味期限が近付くと、本人のスマホにアラートが出るようにする」など、興味深いアイデアがたくさん出てきました。
筆者はこのイベントのファシリテーターをしていましたが、参加者たちから山のようにアイデアが出る様子を見て、これこそが「CSV」(共通価値の創造)の神髄だと感じました。
CSVといっても、担当者や社内調整によるアイデアや構想だけをベースにしているのであれば、それは真の「共通価値」とは言えません。このCSRアイデアソンのように、多彩な経歴を持つ人たちが1つのテーブルに集まり、アイデアの出し合いや議論をすることが大事ではないでしょうか。
このイベントに関わり始めて2年近く経ちますが、昨日のアイデアソンはこれまでになく充実していました。また、アイデアソンやCSVをうまく回すために最も重要なことは、「お題」「テーマ性」であり、その巧拙が全体の出来を左右することが経験的に分かりました。今後の展開が楽しみです。(オルタナ編集長 森 摂)