記事のポイント
- LIFULL介護の試算で、介護費用の総額が約2300万円に上ることが判明
- 親世代の約6割が介護資金を準備していない実態も明らかになった
- 施設選びの選択肢次第で介護費用に大きな差が生じることも示された
老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」はこのほど、介護費用に関する認識調査と施設入居費用の分析結果を発表した。同社の試算では、在宅介護1年と有料老人ホーム入居5年を想定した場合、介護費用の総額は約2300万円に上った。一方、親世代の約6割が介護資金を準備していない実態も明らかになった。介護施設費用は立地などによって大きく変動し、選択肢を広げることで負担軽減につながる可能性も示された。(オルタナ編集部・川原莉奈)

物価高や社会保障費の増大を受け、高齢期の生活設計への関心が高まっている。しかし、介護に必要な費用については、十分に把握されているとは言い難い。
実際に調査では、自身の介護にいくら必要だと思うか尋ねたところ、親世代の42.1%が「わからない」と回答し、準備状況についても56.2%が「備えていない」と答えた。
こうした中、LIFULL介護は、一般的な在宅介護費用と有料老人ホームの費用相場を基に介護費用を試算した。
同社が2025年に実施した調査では、約1年間の在宅介護を経て施設へ入居するケースが最も多かったことから、在宅介護期間を1年と設定した。また、有料老人ホームの入居時費用は一般的に5年間の入居を想定して算出されることから、施設入居期間を5年とした。その結果、介護費用の総額は約2300万円に上った。
もっとも、介護期間や要介護度などによって必要額は異なり、公的施設の利用で費用を抑えられる場合もある。だが、一般的な在宅介護を経て有料老人ホームへ入居した場合には、介護費用が2000万円を超える可能性があることを示した。
さらに同社は、介護費用の多くを占める施設費用についても分析。例えば有料老人ホームの費用相場は、東京都と埼玉県で入居時費用に620万円、月額費用に7.4万円の差があった。また、1990年より前に建築された施設は、それ以降の施設と比べて月額費用の中央値が約4万円低かった。
こうした結果は、施設の立地や条件によって介護費用に大きな差が生じることを示している。
ただし、価格だけを優先すると必要な介護や医療サービスを受けられない恐れもある。
介護に備えるうえでは資金準備だけでなく、早い段階から柔軟な視点で選択肢の幅を広げ、自身に合った施設やサービスを検討することが重要になりそうだ。
【調査概要】
<介護費用の認識調査>
調査期間:2026年6月5日〜9日
調査対象:
親世代…子がいる50代、60代の男女304人
子世代…親と定期的に連絡をとっている30代、40代の男女317人
調査主体:株式会社LIFULL senior
調査手法:インターネット調査
※グラフは小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
<有料老人ホームの費用相場>
集計対象:介護施設検索サイト「LIFULL 介護」に掲載された有料老人ホームの料金プラン(入居時費用ありのプランのみ)
算出方法:集計対象施設の入居時費用、月額費用それぞれの中央値で算出
※1990年より前/以降建築の施設の月額費用:
集計対象施設が持つ料金プランの中の最低月額費用のみをまとめて中央値を算出
対象期間:2026年5月31日時点の掲載施設
※1990年より前/以降建築の施設の月額費用:2026年6月10日時点の掲載施設



